いやはや、久しぶりだな、ルンドンべア! 街道が、雪に閉ざされる前に帰ってこれて良かった。「あっちの料理も美味かったけど、女将さんの料理が恋しいっすよ~」 さっそく、空腹を訴えるマイシスター。「悪いが、食事よりも先にやることがある。時間との勝負だ。行くぞ」 各人の同意も待たず、早歩きで目的地へ向かう。 ◆ ◆ ◆ たどり着いたのは、なんだか懐かしい気がする、ベイシック邸。「スティング・ホーネットのロイです。ベイシック卿はご在宅でしょうか?」「ご在宅であるが……。何用か」 門衛に問われる。この間も、もどかしい。「完全新種の魔物のご報告に参りました。時間との勝負です、とお伝え下さい」「待っていろ」 つくづくもどかしいが、ご在宅なだけでもラッキーだ。まんじりともせず、彼の招きを待つ。「許可が降りた。腰のものは、預からせてもらう」 害意なんてないよ、と言いたいけど、そんなことを言っている時間も惜しい。 執事さんの案内で、応接室に通される。「やあやあ、これは久しいですな! なんでも、新種の魔物を発見されたとか?」「はい。まずは、論より証拠ですね」 ベルトポーチから、あのバカでかいゴーグルを取り出す。ノンキしてた卿も、息を呑む。「パティ。急いでシャックスの姿絵を描いてくれ」 パティのことだから、やたら丸っこいシャックスが描かれることだろうが、彼女が一番絵が上手いので、そこは目を瞑ろう。「シャックス、ですか?」 卿が、突如飛び出した謎ワードに首を傾げる。「やつ自身が、そう名乗っていました。さて、ベイシック卿。ここからは商談です。シャックスの情報を、この値段で買っていただきたい。金貨で」 指で、ちょいとお高い値段を提示する。「や、それはなかなか……。もう少し、なんとかなりませんかな」「我々は、北から馬車を飛ばしてきました。少々無茶もしました。シャックスの情報は、間もなく南下し、こちらに届くでしょう。正式発表、一番乗りのチャンスですよ」「む、むむ……。せめて、この値段なら」 卿が、指で少しだけ額を下げる。よし、最初に考えていた、落とし所の値段だ。「では、それで。契約成立です。契約書を」 互いに、手早く交わす。「では、特徴を述べていきます」 翼長。金属でできた、その体。ボンベ。人語を解し、未曾有の魔
Last Updated : 2026-07-22 Read more