「やあやあ、久しぶりだな! ……ロイ君、また雰囲気が変わった気がするな?」 おや、宿に戻るとクッコロさんが、茶を飲んでいるじゃないか。「はい。めでたく男に戻れまして」「僥倖だな! ではさっそく、夜のデエトと洒落込もうじゃないか!」 なんであなたは、そう色々と猪突猛進なんですか。「兄貴は疲れてるんだ! 明日、アハ=イシュケに行かなきゃいけないんだよ!」「そうです! 明日も早いんです!」「おいおい。サン、ナンシア。無礼な口を利くもんじゃない。とはいえ、明日が早いのも事実でして」 二人とも、どうしてしまったんだ。「ふーむ。では茶話として、南方の話でも軽く聞かせておくれよ。それぐらい構わないだろう?」「それぐらいでしたら……」「茶菓子代は、私が出そう。土産話代だと思ってくれ」「では、ありがたく」 南方での、様々なできごとを話して聞かせる。様々な冒険の数々に、目を丸くして輝かせる彼女。とくに、フォルネウスに関しては……。「それは、ぜひとも一戦交えたかったな! イルカに乗った騎士というのも面白い!」 やめてください。死んでしまいます。「騎士といえば、叙勲の方はどうなりましたか?」「うむ! 正式に任ぜられたぞ!」 胸をそらし、ドヤ顔するクッコロさん。「おめでとうございます。我々も、お役に立てたようで何よりです」「はっはっはっ。君たちには、感謝してもしきれんな! 今度、うちに寄ってくれたまえ。歓待するぞ!」「ありがとうございます。機会がありましたら、ぜひに」 茶を口に含む。「ところで、めでたく男に戻ったことだし、うちに婿入りする気はないか?」 茶を吹く。 さっきもやったぞ、このリアクション。「失礼しました。いえ、まだまだ修行中の身でありますし、見聞を広めたいとの思いもありまして」 テーブルを拭いながら、丁重にお断りする。いや、好きか嫌いかでいえば、好ましい女性だとは思うんだが。「ふーむ。騎士でなければ、パーティーに入りたいところだが。今は、騎士であることが悩ましいな。焦がれに焦がれた騎士の身になって、贅沢ではあるが」 やめてください。死んでしまいます。 このリアクションも、さっきやったな。「クッコロさんにおかれましては、風来坊より、ラドネスブルグの剣となり盾となるのがふさわしいかと」「ふむ。そうか。そ
Last Updated : 2026-07-23 Read more