センダンの姿が見えなくなったあと、騎士はディーンの腕を無理矢理引っ張り歩き出した。「ま、待ってくれ! どこに連れていくつもりだ!? 早く料理長を医務室に――」「その必要はございません。あの場にいた者達は全員投獄後、【処刑】しろとの陛下の御命令ですから」「……は……?」 ディーンは騎士の台詞を聞き、頭が真っ白になる。「な……なんで……。どうして――」「わかりませんか? 【口封じ】ですよ。〝真実〟を知る者がこの城にいては困りますから」「っ!?」 淡々と答える騎士の抑揚のない声を、ディーンはただ呆然と聞いていた。「……そ……そんな横暴なことは決して許されない……っ!」「貴方に何ができると? 今、貴方は捕まっている状態なのですよ?」「く……っ」 いつの間にか騎士は剣を鞘から抜いており、それをディーンの背中に向けていた。 何もできない歯痒さに、ディーンはギリッと音が鳴るほど奥歯を噛み締める。 連れてこられた場所は、城の離れにある、今は使われていない小部屋だった。 ディーンは騎士に後ろから強く押され、バランスを崩し床に倒れ込む。 すると、部屋の中にいた別の騎士に突然両手を縛られ、布で目隠しをされてしまった。「なっ!? 君達、一体どういうつもりだ!?」「陛下からの御命令です。『余計なことを言いふらす前に、弟の喉を焼いて喋れなくさせろ』、と」「……っ!?」「続けて、陛下から貴方へ言伝です。『実の兄弟のよしみで命だけは助けてやる。ありがたく思えよ。お前は一生離れで暮らせ。時々ワシの栄光話を聞かせにいってやる』……とのことです」「っ!?」 感情なく無表情でセンダンの伝言を伝える騎士へ、ディーンは目隠しの中で驚愕の眼差しを向ける。 ディーンが再び言葉を出そうとした刹那、自分の喉に凄まじい熱さと激痛が走ったのだった――✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼ センダンは、国の貴族から徴集した騎士達と、金で召集した魔法士達と兵士達を引き連れて、セインウッド王国に奇襲をかけた。 戦争に断固反対するであろうバセロルト公爵に対しては、それに関する情報を彼に一切入れないよう徹底し、奇襲開始の前にセインウッドとは反対側の隣国へ一家で視察に行かせ、簡単に帰らせないようにした。 そしてバセロルト公爵一家が不在の時に、セインウッドへ
Last Updated : 2026-08-26 Read more