All Chapters of 先祖代々騙される家系の私ですが、お家の借金を返済し親孝行するべく冒険者になり強くなります!: Chapter 81 - Chapter 90

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第七十六話王都襲撃前編

第七十六話王都襲撃前編制限付き蘇生魔法を覚えた私たちは、ノラに頼まれ王都に向かっている。ノラが最初にスミカに蘇生魔法を勧めたということは、おそらく私は……死ぬ。考えすぎだと思うけど『夢の通りなら使うから』というノラのこの言葉が頭から離れない。「安心してよエル、私が絶対に護るから……もし、私が死んだ時はエルの判断に任せるから」ズキン「そんな顔しないでスミカ、私が誰も死なせたりしないから……お願い、いつもみたいに笑って」王都に着くまでの空気は……いつもの明るいものではなく、重苦しいものだった。ミリアとシャルロッテが明るい空気にしようとしてくれた。「……着いたね」「異変という異変も、特になさそうですけれど」シャルロッテがその後何かに気づいた。「三人とも、周囲を警戒しろ!! 血の匂いだ」パン!!「ちょっとエル、何で自分を叩いたの!?」「……ヒリヒリする。あのね、いつも通りにしようよスミカ……やっぱり私はスミカと笑えないのは嫌だ!!」「…………私も、私もだよエル!!」ギギギギ……バンッ!!ザン「二人ともよそ見すんな、危ないだろうが!!」「チッ、邪魔しやがって」「ミリア追うぞ!! 敵はまだいる、アイツは俺とミリアで倒すぞ」「はい!!」シャルロッテとミリアが私を射た人を追いかけた。敵はまだいると、シャルロッテは言った。『アイツは俺とミリアで倒す』と。他の人を任せてもらったと思っても、私に出来ることを全力でやる。「スミカ私の背中は任せていい?」「大船に乗ったつもりで任せて」私が索敵魔法で見つけたのは、王都周辺を囲んだ沢山の人の魔力だった。サイモンさんと同じ魔力の人も見つけた。「スミカ……騎士団の人に応援を頼みに行かなきゃマズイ状況かも」「どうしたの?」「王都が囲まれてる」「それなら早く……でも話聞いてもらえるかな?」「セオドアさんなら聞いてくれるはず」ドドドドドッガ〜〜ン「うわ〜、そこの人避けて!!」「待てエリー!!」あの二人ってまさか!?「「危ないエル(スミカ)!!」」ガッシャ〜ン「いてて……あれ、ルミエルだ。どうしてここに?」「お前らここは危険だ、外にエデンの園の連中がいる」「教えてくれてありがとう。だけど、ここで逃げる訳にはいかない」ビビビーン「ルミエル……お前だけでも必ず逃げろ、死
last updateLast Updated : 2026-07-27
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第七十七話王都襲撃中編

第七十七話王都襲撃中編ルーマンに忠告を受けた私は、詳しい内容をスミカと一緒に聞いた後、騎士団に協力してもらうために騎士団の知り合いのセオドアさんを探している。「何度か王都で迷ったことがあるから、道案内は任せてよエル!!」「どこからきてるの、その自信?」スミカは私を指差して「迷ってもエルが見つけてくれるからね」そういって微笑んだ。「スミカがどこで迷ってても私が見つけるから」「ありがとう嬉しいよ…………あっ、それだよエル!!」私がスミカに聞くと『迷子を探す感覚で探せばエルなら見つけることが出来るはず!!』というものだった。私はさっそく試してみることにした。「ちょっと右に曲がるよ」テクテク「消え失せろ、ゴミ!!」「"水の弾丸(ウォーターバレット)"」ドボン「ギャア!!」ザザザザザ「見つけたぞガキ共!! テメェら、放て」「"風の盾(ウィンドシールド)"」「あのガキ一人で塞ぎやがった。俺たちじゃ勝てねぇな…………雇い主のお嬢さんにゃ悪いが死ぬよかましだ、テメェら撤退すんぞ」「……エルどうしたの? 無視しないで、私エルに何か嫌なこと言っちゃった? ……ねえ、エル」「……どうしたのスミカ?」私が泣いているスミカに聞くと、答えてくれた。「そういうことね、スミカは嫌なことを言ってないよ。それより私のほうこそ無視した形になってごめんね。集中してて聞こえてなかった……気をつけるね」「良かった。もしかしてエルに嫌われちゃったのかと思って怖くなったよ」「私がスミカのことを嫌いになるなんてこと絶対ありえないよ」スミカが安心出来るように私の本心を伝えた。それから少し時間が経った頃『……リス…………たぞ!!』セオドアさんの声がうっすらとだけど、聞こえた。「エル、この声って……」「「セオドアさんだよね」」「隙だらけの今を狙うぞ」「らじゃ」グオン影がおかしい……また狙われてる。「スミカ、私たち狙われてる。影に潜んでる」「ありがとう」グサッ「うぐっ、気づかれたか。だが鈍い!!」男はナイフを投げた次の瞬間、雷の魔法を使った。「轟け、"天雷"!!」「その程度の攻撃は私たちに効かない!!」ザン「またつまらぬもの……」「スミカ、カッコつけなくていいから早く行くよ」「もう待ってよ、エ〜ル〜!!」「おい、目を覚ませ……
last updateLast Updated : 2026-07-27
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第七十八話王都襲撃後編

第七十八話王都襲撃後編ヴァサヴァサ「セオドア隊長、東門地区が陥落しました。すぐに救援に来ていただけないでしょうか!!」「……了解した。南門地区セドリック隊長を呼んでくれないか?」「了解致しました、セオドア隊長」「任せた。"血飲み"と"縁結び"が来ていなければ南門地区は奪還出来なかった。……っと話が逸れたな。今は、セドリックが来るまで相手をしてもらうぞファジリス!!」私が一旦休戦してもらえるように双方を説得したが一匹の蛇により状況は最悪へと転落した。ニョロニョロ「おい、ファジリス早く帰ってきて!! テシ兄が……テシ兄がボスに殺された!!」「……はっ? 何の冗談だよ。ルミエルを連れて行けば助けるって……」ゴゴゴゴゴ「すまねぇな……死ぬなよ、ルミエル」私は身体を貫かれた。「力加減間違えちまった」あっ、これダメなやつだ。私の最期ってこんな呆気ないの?待ってよ、嫌だ……まだ死にたくない。もっとスミカと……みんなと一緒に……いる……んだ。私の意識はその後途切れた。「エル? この血の量……嘘だよね。 エルが死ぬなんてありえないよね? ねえ早く目を覚ましてよ……ね?」回想「蘇生魔法覚えてね……夢の通りなら使うから」回想終わり「ノラの言ってた『蘇生魔法を使うから』って……エルにだったなんて……って泣いてる場合じゃない!! 今すぐに蘇生をしないと。少しでも、冷静に……冷静にならないと失敗しちゃう……それだけは嫌だ。震えが……止まらない」「ファジリス……貴様との休戦などありえないことが証明されたな。これより俺は修羅となる……死の覚悟しておけ」「今だけは邪魔しないで!! 殺し合うならエルを蘇らせてからにして……間に合わなかったら後を追って死んだ後に二人とも呪い殺すから」「「今は待ってやる」」「エル待ってて……今目覚めさせてあげるから」温かい……なんだろう、この感覚「……ル…………エル、目を覚ましてよエル!!」「んん……スミカ……心配させてごめん少し……眠らせて」蘇った影響なのか上手く身体が動かなかった私は、少し身体を休ませるために眠ることにした。「眠っちゃった。良かった、成功した」バタン「安心したら足の力抜けちゃった」私が眠りに入ろうとした時に鮮明に聞こえたのは、スミカの泣いている声だった。ニョロニョロ「隙だらけだし…
last updateLast Updated : 2026-07-27
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第七十九話お祖母様

第七十九話お祖母様「……ボス、なぜペディを行かせ……たのですか?」「四天王を補充するためと言っただろう」「本当の狙いは別にあるのでしょう……ぐっ」「別にあるのは、当然だろ。それにお前は寝ていろ。今死なれたら困るんだよ」「ファーと今以上に仲良くなるにテッシーが必要なんだから死んじゃったら困るの」「人質にしたいからってことですか……分かりました。(私だって今死ぬわけには、いかない。私がファジーを追い詰めてしまった。私が突然病気に…………待てよ、何かおかしい。"無病"のスキルがある私が……もし呪いの類だとすれば……試しに解呪してみるか)」「解呪」「何か言ったか」「寝言じゃない?」やはりか。もっと早く気づけていればファジーに……無理をさせずに済んだというのに。だが今は治っていないふりをする。ペディのことだ、ファジーに私が死んだとでも言うだろう。どうか冷静になってくれ……私はファジーがいない世界では死にたくない。ニョロニョロ「ただいま戻りました。オェッ」ボトン「ゲホッ……ゲホッ」「ルミエルを連れて参りました。これで私を四天王にしてくださるのですよねボス」「ああ、だがそれはお前がテシウスを殺したらだがな。テシウスを殺せない奴が四天王になどなれるものか。明日テシウスと決闘をしろ。……ファジリスも呼んでおかないとな〜」「ですねぇ、テシ兄のあとは義姉さんも殺してもいいですよね」「ああいい……」「ダメ!! ファーを殺すときは、ちゃんとファーの大切な物を壊して絶望のドン底に落としてからじゃないと!!」「俺が言うのも何だが、ほんとお前は歪んでるよな」「もう、私はおかしくないよ〜」「あの、お祖母様……何を言ってるのですか? それにボスって何のことですか?」「そういえばルミエルちゃんは知らなかったね。私がエデンの園のボスで……」チラッ「俺は名乗らないからな」「もうガンちゃん!! "大切"な孫の前なんだから名乗ってよ」「……ああもう、分かった!! おい、ルミエル、俺はヴォルフガングだ。今はこいつの身体を借りている状態だ」……ヴォルフガングって……どういうこと? いや、頭では分かってるのに、理解が追いつかない。「おい、ルミエルが焦っているぞ。どうにかしろ、お前の孫だろ」「と言っても……今"大切"にしたいのを我慢してるからちょっと無
last updateLast Updated : 2026-07-27
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第八十話後悔の念

第八十話後悔の念私がもっとちゃんとしていれば、エルが連れて行かれなかったのに……私が、私がもっと……。「おい、スミカ……スミカ!!」「……はっ、はい!! すみませんシャルロッテさん」「悔しいのは分かるが、それは後にしろ。生きていることを信じて今はルミエルを助けることだけを考えろ」「それは……分かってます。ですが」「『ですが、気持ちが追いつかない』だろ俺とミリアだったそうだ。俺とミリアはその場に居れず何も出来なかった」私とシャルロッテさんは熱が上がり口論っぽくなってしまった。「スミカさんとロッテの気持ちも分かりますが、今は落ち着きましょう」ミリアさんがすぐに止めてくれたから良かったものの、ほんとエルが連れて行かれたって状況(とき)に何やってるんだろ、私。「お前ら止まらず黙って進んでくれよ、本当に助けられなくなるぞ!! テシウスが死んじまうんだよ、早く行くぞ」「おい、ファジリスお前転移魔法を使えたはずだろ、使ったほうが早く行……」「使えないんだよ!! 冷静じゃない今使うぐらいなら走った方が速いんだよ!! なんでこうなんだよ……なんでいつも肝心な時に私は……私は!! すまない、進もう」「……こっちこそ、すまなかった。一人ずつでいいなら乗せていけるが、どうする?」「一人ずつ狙われたらどうするんだよって話だが、今回はそうも言ってられない。私から乗せてくれ」「了解した。ケールナ……ちょっと嫌がるな、乗せてやってくれ。何? 最後ならいいのか……そうか、そういうことみたいだ、すまないファジリス」「最後だろうが、乗せてもらえるのなら今は文句は言わん」「ケールナは最初にスミカを乗せたいみたいだ」「……ルミエルと一緒にいたお前、少し待て」「何?」「これを持っていけ。私の髪で作ったやつだが一度攻撃を防ぐはずだ。私のせいでお前の大切なやつが連れていかれたようなものだからな……お詫びだ」「ファジリスさんも大切な人が殺されそうだったんでしょ……私も貴女の立場だったら同じことしたから、今は許しはしないけどありがとう。もらっておくね」「スミカ、ちゃんとベルトつけたかい?」「つけました」「よし、出発だ!!」私はセオドアさんに運んでもらい、一番に着いた。「おっ、お前はルミエルと一緒にいたガキ!! 殺したら褒めてもらえるかも…………ごめんなさい、殺しま
last updateLast Updated : 2026-07-27
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第八十一話約束

第八十一話約束エルの祖母の話をする時の"今にも消えそうなロウソク"みたいで……いや今はそんなたとえをするより大切なことがあるでしょ!!「エル、私はどんなことがあっても一緒だし、泣きたい時はいつでも胸貸すよ。まっ、まあエルが嫌じゃなければだけど。たとえ死んだ後でも、この手を離すつもりないから安心していつでも寄りかかってきていいから……無理に笑ったりしないでほしいな」どうしよう言い方合ってるのかものすごく不安だけど、エルが安心できるなら間違っててもいい。エルのためならたとえ世界でも……。エルは震えた声で『貸して』の一言の後に私の胸に飛び込んできた。「………………」「これからもいつでも貸すからね、エル」私はエルを悲しませたエデンの園のボスも魔王も……絶対に許さない。どれだけ時間がかかっても、絶対に殺す。「ボスの命令がなければお前らを殺せたってのに。…………なっ、なんだこのガキ、ごめんなさい二度と殺すなんて言いませんから許して!!」「スミカさん、ルミエルさんのことを思うなら怒りを抑えてください」エルの隣にいた男が私に注意した。そう言われてしまっては抑えるしかないでしょ「私、エルのおばあちゃんと魔王のこと許せなくて……ごめんねエル」私が謝るとエルは泣きながら『大丈夫』と言ってくれた。感情的に動いてしまうところを治さないと絶対に勝てない。ランク昇格試験の後に襲われた時だって、エルが連れていかれそうになった時、力の差も理解せず私は戦おうとした。セオドアさんたちが来てくれなかったら、エルも私も死んでいた。結局私は昔から変わらないままだ。「二人とも良い感じになって……今すぐに殺しちゃいそう」「ちょうど他の奴らも到着してんだから、まとめてどっかに飛ばして美味しく食せばいいだろ」「そうだね、ガンちゃん。我慢我慢」「飛んでけ飛んでけ、ど〜こか」「「無作為転移(ランダムワープ)」」突然の光と共に私たちは転移させられた。転移した先に、エルはいなかった。「エル……エル!? どうしよう、エルがいないと私は……私は」「おい、スミカ落ち着け!!」隣から聞こえたのはシャルロッテさんの声だった。「シャルロッテさん、エルとの約束破っちゃった!!」ガシッ「スミカッ、一旦深呼吸しろ、落ち着かないと会えないまま死んじまうぞ」「わか、分かって……嫌だ
last updateLast Updated : 2026-07-27
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第八十二話魔力暴走

第八十二話魔力暴走シャルロッテさんの叔母さんがSランク冒険者の"ドラゴンスレイヤー"シュレント・ヴェルメリオだったなんて……教えてもらえれば今より格段に強くなれる。ドラゴンスレイヤーの二つ名は単独で龍族を討伐した者に送られるものだ。私はシュレントさんに呼び出された。「さてスミカちゃん、時間がないのよね? だったら早速おいで」「では、参ります」シュン私の身体はいつもと動きが違いすぎるドテッ「スミカちゃん、思考が身体に追いつけてないね、もしかしてここ最近、感情による魔力暴走があったでしょ……例えば強い殺意とか」「ありました。聞くということは何か関係があるのですよね? 教えていただけませんか」「感情による魔力暴走は身体の上限を増やせるの。しかもスミカちゃんのような魔法剣士は三倍以上増やせるのだけれど、暴走直後はさっきみたいに魔力暴走前の身体を使う感覚で動かしてズレが生じるの。今回はそのズレを無くすようにしていくから」シャルロッテさんも初耳だったようで目が点になっていた。ズレを無くすコツを聞くと返ってきた答えは単純なものだった。「何度も戦うことだよスミカちゃん」シュレントさんの言葉の通りに私は戦って強くなる!!「二百三十八戦目、始め!!」シャルロッテさんの声もうっすらしか聞こえないほど疲労している私はあることに気づいた。はぁ、はぁ、ようやくズレが無くなってきた。手加減してくれているとはいえシュレントさんの攻撃を目で追うのが精一杯「神坂の舞(みさかのまい)」「ぐっ!?」「凄い凄いよく防いだね。今度は本気で行くね」シュレントさんの本気の殺気だけで、私は泡を吹いて意識を失ったと後でシャルロッテさんから聞いた。目を覚ました時の景色は大きく変わっており、よく視えるのだ。「スミカちゃん、おはよう。よく視えるでしょ」「はい」「ちょっと俯瞰してご覧、そうすれば自分の限界値も分かるわよ」私は俯瞰することに苦戦しているとシャルロッテさんがアドバイスをくれた。私はそのアドバイスを元にやってみた。改めて自らの力のなさを痛感した。同時にシャルロッテさんもシュレントさんの凄さも。「叔母さん魔王討伐協力してくれないか?」シャルロッテさんが協力を求めると即答で断られた。「私が討伐に協力したら誰が民を護るの? 私たち冒険者は討伐だけでなく
last updateLast Updated : 2026-07-27
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第八十三話託された物

第八十三話託された物光と共に私たちは見知らぬ土地に飛ばされてしまった。周囲を見渡すと隣に倒れているファジリスがいる。どうしよう、気まずい。私を殺したのだって大切な人の命を握られていたら、私だってそうするだろうから理解はしている。「んっ……んん、何があったテシウス」目が覚めたファジリスはテシウスに呼びかけている。私は申し訳なさを感じながら答えた。「テシウスはここにいません。私はルミエルです。それと何があったのかというと…………」私がこれまでのことを説明し終わるとファジリスは吹っ切れたような顔をした。「テシウスが治ったのならそれでいい。私と離れていようが、テシウスは無事だ。絶対にな」ファジリスはそういった後、私とこれからのことの話をした。どうやらファジリスはこの辺りのことを知っているようで、ある提案をしてきた。「この辺りに私の実家がある。修業をつけてやるから来い」「それだと裏切ったことになるんじゃ?」「なりゃしねぇよ。これはテシウスの件のお礼みたいもんだ」「ここだ」ガチャ「母さん、ただいま」「……ファジー、おかえり。隣にいるのはテシ君かい?」「母さん、隣にいるのはテシウスじゃないよ」「そうかい。これからもファジーと仲良くしておくれ」「はっ、はい」「すまんな、友達とか言っちまって。このままついてきてくれ、もうすぐ訓練場だからよ」ファジリスのお母さんはあまり目が見えないようで、私を友達ということにしたと聞かされた。私がファジリスについていっている際、ファジリスのお母さんの「あれが今代の勇者の卵か、良い魂をしておる」この言葉が気にはなったが、今は集中しないと。「ルミエル、午前は魔法の訓練をして午後は杖術の訓練だ」「お願いします!!」翌日「こんなところで倒れてる場合か!! 私に勝てないんようなら、いつまでもボスには勝てんぞ、ほら立て!!」「……はいっ!!」「ファジーそろそろ、ご飯にしないかい?」「もうちょっと待って母さん」「ルミエルちゃん、ちょっとこっちおいで(これで潜在能力は解放した。あとはその殻は己で割るだけ。これが最期の力……せめてあれを渡さないと)」呼ばれた私が向かうとツボを押された。「はぁ〜、なんだか身体が軽いです。ありがとうございます!!」「終わったら来い、ルミエル」「はいっ」「ルミエ
last updateLast Updated : 2026-07-27
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第八十四話封印の壺

第八十四話封印の壺ボスに転移させられたことは周囲の景色を見れば理解出来る。「ミリアさん、シャルロッテさんに何かお土産でも買いに行きますか?」「いえ、今は合流を急ぎましょう」ファジーたちとの距離を考えれば、買い物をしても間に合う。それにファジーのところにはお義母さんがいる。お義母さんの強さはボスにも匹敵する。だから安心して任せられる。私はファジーを信じている。シャルロッテはスミカともう一人いるのはシュレントだな。ミリアたちがボスに立ち向かうのなら、連れて行くべき場所がある。「ミリアさん、私についてきてください。渡したいものがあるので」渡したいもの、過去にボスを封印した壺だ。我が家の家宝として飾っていた物だ。ちなみに最近までゴミ箱として使っていたことは内緒だけどな。「渡したい物とは、なんですか」「それは過去に魔龍王ヴォルフガングを封印した壺だ。戦うんだったら必要だろ」「今のが元の口調ですか?」「そうだな。口調のことは気にしないでくれ」私はミリアに封印の壺を渡すために我が家に連れて行った。三十分後ガラガラ。「家の中は騒がしいだろうが入ってくれ」「お邪魔します」「兄さんおかえりなさい。ねえその人誰? まさか浮気じゃないよね、一応ファジ姉に報告するよ」「お姉ちゃん浮気って何〜、それマナに使わせてよ」「ダメだよ。それは僕が遊ぶんだもん!!」「こら二人とも取り合っちゃダメでしょ。二人とも使いたいんでしょ、だったら交代交代で使うのはどう?」「見てみてお兄ちゃんこれ」「それはダメ!!」「えー、お姉ちゃんいつもチューしてるじゃん」「違わないけど違うの兄さん!!」「お姉ちゃんみたいなのをブラコンって言うんでしょお兄ちゃん」ルーティがなぜ焦っているのかというと自室で私の写真にキスをしていることをマナに指摘されブラコンと言われたからだ。「ありがとうな、私もルーティのこと好きだぞ」「でもそれって家族として……なんでしょ兄さん」「ごめんな家族としての好きで」「謝らないでよ兄さん、私はたとえ家族として好きって言ってもらったとしても嬉しいんだから!! それと兄さんたちを迷惑をかけてごめんなさい。お見苦しいところをお見せしてしまい申し訳ありませんお客様のお姉さん」「私は困っていませんから、頭を上げてください」「そう言ってくれ
last updateLast Updated : 2026-07-27
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第八十五話緊急依頼

第八十五話緊急依頼着々と協力者を増やし有力な情報を得たヒョウたちはその情報を確かめるべく行動することにした。同時刻、転移されたルミエルたちが合流するために奔走していた頃王都では会談が行われていた。会談中、王都が襲撃されてからゼルド(防衛大臣)の決意は固くなったのがすぐに分かった。「セオドア隊長がエデンの園のアジトを突き止めたとの報告がありました!!」その一報を聞いたゼルドは即座に行動に移した。「全ての冒険者課にエデンの園緊急依頼を出すんだ!! 報酬は百万メニー、そして必要に応じてアイテムや装備は補充・交換自由にする。依頼を受けた低・中ランク冒険者にはアイテム・装備一式を追加で渡す。そして他国にも伝えてくれ人手は多いに越したことはない。全責任は俺が取る!」「了解致しました」「それでは失礼させてもらう。必要な物があれば言ってくれ、すぐに用意させる。またな、ジン、互いに生きてまた飲もうぜ」「約束だ、ゼルド」カルメラの話を聞いた限り叔父様は、騎士団の懲罰房にいるだろうから話を聞きに行こうかな、サプライズも用意してな。コツ……コツ……コツ「お久しぶりです、叔父様」「俺は見せ物じゃねんだよ、テメェ何しに来た!!」「そんなの、決まってますよ。話し合いです。断れば叔父様の言いたくないことを全て暴露するだけなので安心して断ってくれてもいいですよ」「何を知ってんだよ」「例えば叔父様が王都にエデンの園を招き入れたとか」「なんでそれを知ってんだよ!?」「単純に襲撃犯を拷問して調べただけですよ。叔父様に出来ないのが残念です」「分かった話し合いをする、だから俺にはやらない」「だってよユーリ」「ユーリってまさか……違います団長!! 私のせいではありません、私は騙されたのです!!」「ジン感謝する。後は任せてくれ。気づけなかった俺が膿は出さなければならない」「早めに吐いた方が楽ですよ叔父様」叔父様が知らない新しい俺の能力を使う。それは対象の音を決めた範囲内の生物に強制的に聞かせる能力だ。ちなみに音量は扉をノックするぐらいで聞こえるので、そこまで作業の邪魔にはならないと思う。今回はそれを使って叔父様の声を王都中に聞かせる。それをしながら俺はカルメラとダリスを連れて"騎士団の闇"に向かう。"騎士団の闇"とは公に出来ない仕事……いわゆる殺人を専門
last updateLast Updated : 2026-07-27
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