あたしは、お父さんの日記の文字を追い続ける。『七歳になったマリアが〝鑑定の儀〟を受けた。示された適性は【社長】。聞いた事の無い適性だ。僕はてっきり僕と同じ【商人】が出るだろうと思っていたから、つい落胆したところをマリアに見せてしまった。あの敏感な子にそんな態度を見せるなんて、何をやっているんだ、僕は……!』『マリアとの間に溝を感じる。分かってる、悪いのは僕だ。あの子は懸命に自身の適性の有用性を示そうと、あれからも努力を続けている。もしかしたら、あの子が言うように凄い適性なのかもしれない。だったら信じ、見守ってあげよう。それがせめてもの、マリアへの償いだから』『伯父のセイラム男爵――既に隠居だから前男爵か――から、有能な適性持ちなら寄越せと手紙が来た。奪い去った弟に会わせてくれもしないくせに、よくもヌケヌケと……! たとえマリアが言うように【社長】が凄いモノだとしても、絶対に渡さない! 一先ずは、適当に不遇な適性だったと返事を書いて送ってやった。マリアは、渡さない……!』 あの儀式の後で、こんな風に考えて、こんな風に動いていたんだね。お父さんも悩んでたんだね。自分の事ばっかりで、気付いてあげられなくてごめんね。護ってくれて、見守ってくれてありがとう。『ミリアーナの暴挙は正直看過できない。だけど、マリアが必死に訴えてきたんだ。不足分は働いて返すから、ミリアーナを譲ってくれと言ってきた。……正直言葉を失った。僕やヨナの前では常に良い子だったあの子が、あそこまで強く我を通そうとするなんて』『マリアの下であの子に仕えたいと、ミリアーナから嘆願された。あの【赤光】のミリアーナが、一生をあの子に捧げるとまで。あの子がどんな話をしたのかは分からないけど、やっぱりあの子には、特別な〝何か〟があるように思える。見届けてみよう。あの子がこれから何を成すのかを』 あの時は、本当にありがとう……! 苦労を掛けて、本当に
Last Updated : 2026-09-23 Read more