「それではこれより、奴隷商ワーグナー商会有する【赤光】のミリアーナと、我が領の騎士団所属の騎士との、御前試合を執り行う! 伯爵閣下よりお言葉を賜られる。心して傾聴せよ!」 おおー! 思ってたより本格的に開催するんだね! 石造りの塀に囲まれた広い練武場には、選りすぐりの精鋭なのかな? 十五人程の騎士が、甲冑姿で兜を脇に抱えて整然と並んでいる。彼等が注目するのは、舞台の上座となる観覧席に居る我等がご領主様、クオルーン・ヨウル・キャスター・ムッツァート伯爵閣下だ。 全員の注目が集まったのを確認して、伯爵が観覧席から立ち上がり、口上を述べ始める。「皆の者、良くぞこの場に集った。目的は他でもない、ワーグナー商会に所属するAランク冒険者、【赤光】のミリアーナの腕前を披露してもらうためである。聞くところによれば彼女は、対モンスターのみならず、対人戦闘にも相当精通しているとか。我が騎士達には、この機会に在野の戦士がどのように戦うものか、良く学び取ってもらいたい。 またミリアーナにも、我が騎士達と戦いを通して親睦を深めてもらいたい。同じ領に所属する以上、有事の際には轡を並べる事もあるやもしれぬからな」 一度言葉を切り、練武場の面々を見回す伯爵。 うっ……! そんなバッチリ目を合わせなくて良いですから! 依頼と見合った報酬さえ頂ければ、協力しますから!「冒険者ミリアーナは、剣だけでなく魔法も得意と聞き及んでおる。故に休息を挟みながら、三番勝負を行ってもらう事とした。一本目は剣のみで、二本目は魔法のみ。そして三本目には、双方織り交ぜて戦ってもらう。異存はあるか?」 再びあたしに視線を寄越す伯爵。 はいはい。主人はあたしだから、あたしが答えろって事でしょ?「問題ございません、伯爵閣下。三試合もの名誉を賜り、我が部下ミリアーナも意気軒昂にございます」 あたしはスカートの裾を摘んで礼を執りながら返答する。まあ実際のとこ、ミリアーナも
آخر تحديث : 2026-10-03 اقرأ المزيد