それから後は早かった。俺たち五人が力を合わせて墓川を押し倒し、猟銃を取り上げたのだ。 形としては現在俺が墓川にマウントポジションを取ったようになっている。また猟銃も現在は俺が手にしている。中には最初から弾丸が装填されていた。つまり墓川は――本気で俺を殺す気だったのである。 でも、それももう終わりだ。 「はぁ……はぁ……墓川、俺たちの、勝ちだ」 「ぐ……く、くそう!」 俺に馬乗りにされ、そして周りには面木が、由那が、いずみが、そして花香がいる。 墓川に、為す術はない。 俺はそんな彼に向け、優しく諭す。 「リーダーは信任が必要だ。みんなから信頼されるからリーダーをやれる。だから逆に、みんなからの信頼を失ったら、引き下がらないとダメだ」 「……僕を、どうするつもりだ?」 「一緒にこの世界を出よう」 「…………」 「この世界は、この地球はもう終わりだ。月を失った地球で人類は生きていけない。人類ってのは、実はとても微妙なラインで生きている」 冷静に考えれば当たり前の話だ。 地球はそれなりにデカイけれど、生物はその地球の表面に、まるで米粒のように張りついているだけなのだ。地球がちょっと揺れたらその米粒はどうなる? 取れはしないけれど、無事でも済まない。 「だから月のある地球に、彗星メギドがやってこなかった地球に、これから向かうんだ」 月という母がいる世界。そして俺の母さんが、父さんがいる世界。 帰りたい。帰りたい。帰りたい! 万感を込めて、墓川にトドメの一言を。 「墓川、君のお父さんが遺してくれた箱船。とっても大切なものなんだろう。それは謝る。でも考えてくれよ、君のお父さんは何で箱船を与えたんだ? 生きるためだろ? 生きる道を遺すためだろ? なら、許してくれるはずだよ、墓川」 俺は可能な限り言葉を選んだ。 墓川はジャーナリストの父をとても尊敬している。墓川も将来はジャーナリストになりたいらしい。その割にはリーダーシップを取りたがるが、それは置いといて。 そんな彼の父を否定するようなことを言
Last Updated : 2026-09-16 Read more