Todos os capítulos de 冴えない転校生を放っておけなかっただけなのに、正体は世界的財閥の御曹司でした: Capítulo 51 - Capítulo 60

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第49話 「どうして、うちの息子なんですか?」御曹司の父に聞かれて、私は三十三円のシャープペンシルの話をしました

第49話 「どうして、うちの息子なんですか?」御曹司の父に聞かれて、私は三十三円のシャープペンシルの話をしました 金曜日の放課後、私は帰りのホームルームが終わっても、すぐには席を立つことができなかった。 このあと篠宮君の家へ行く。 正確に言えば、世界的財閥である九条家の本邸へ行き、九条グループの経営を実質的に担っている篠宮君の父親、九条隆臣さんと改めて話をすることになっている。 文化祭の前後にも九条家へ足を運んだことはあるし、征一郎さんや宗一郎さんともすでに話しているのだから、今さら本邸そのものに驚く段階ではないはずなのに、「恋人の父親から正式に話がある」と考えた途端、それまでとは別種類の緊張が朝からずっと胃のあたりに居座っていた。「紗季、まだ帰らないの?」 美咲が鞄を肩へ掛けながら私の机へ来た。「帰るというか、これから行く」「ああ、今日だったね。篠宮君のお父さん」「うん」「顔怖い?」「会ったことはあるよ。でも今日は私に話があるっていうのが怖い」「何聞かれるか予想してる?」「お母さんからは『家柄の話されたら普通に答えなくていい』って言われたし、篠宮君からは『面接じゃないって三回確認した』って言われたし、玲華さんからは昨日『夫は不器用だから、言い方が堅くても怒っているとは限りません』って連絡来た」「周囲が全力で予防線張ってるじゃん」「それが逆に怖いんだって」 美咲が笑いながら、隣の席へ視線を向ける。 篠宮君は少し離れたところで相沢君に捕まっていた。「なあ篠宮、お前今日また家の用事?」「うん」「高梨も一緒?」「うん」「おお、ついに親公認の挨拶?」 相沢君の声が少し大きい。「違う!」
last updateÚltima atualização : 2026-09-30
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第50話 「九条家の血を引いているのは、私もです」“外部の研究者”だった女性教授の、本当の正体

 土曜日の朝、私はパティスリー・ソレイユの店先で焼き菓子の棚を整えながら、スマートフォンを気にしないように努力していた。 篠宮君は今頃、九条本邸で神崎敬吾さんから話を聞いている。 昨日の帰り際、「明日は俺一人で聞いてくる」と本人が決めたのだから、私が朝から何度も連絡を入れるのは違うと思っているし、実際、篠宮君からも「終わったら話せることは話す」と言われている。それでも、先代当主が二十六年前に残した未公表の認知記録がどうの、現在の後継順位を変えるかもしれないだのと聞かされた翌日なのだから、まったく気にならないふりをするほうが無理だった。「紗季、そのフィナンシェ、さっきから三回並べ直してるわよ」 背後から母に言われ、私は手を止めた。「そんなに?」「右へ二センチ、左へ一センチ、また右へ戻してる」「見てたの?」「同じ店で働いてるんだから見えるわよ。蓮君からまだ連絡ないの?」「ない。というか、今話してる最中だと思う」「なら終わるまで待ちなさい」「わかってるよ」「わかってる人は、フィナンシェで気を紛らわせないの」 母は私が並べ直した菓子を一つだけ元の位置へ戻し、そのまま値札を確認する。「お母さんは気にならない?」「気にはなるけど、私が今考えても答え出ないでしょう。しかも九条家の血縁の話なら、なおさら向こうで話してもらったほうがいいわよ」「もしものすごい秘密だったら?」「その時はその時。蓮君が話したいことを聞けばいいし、家の事情で話せないことなら聞かなくていい」「最近、お母さんもずいぶん割り切るね」「誰のせいだと思ってるの」「私?」「紗季と蓮君と九条家よ。最初は全部知っておかないと娘を守れないって思ったけど、何でも親が知ってれば安心ってわけでもないでしょう。娘の彼氏の一族の戸籍事情まで全部把握してる母親のほうが怖いわ」「確かに」 笑ってしまった。 母の言っていることは正しい。 篠宮
last updateÚltima atualização : 2026-10-01
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第51話 「父は最後に、自分の家を間違っていたと書きました」隠されていた遺言を前に、九条家の兄妹が初めて向き合いました

 日曜日の朝、私はパティスリー・ソレイユの開店準備を手伝いながら、昨日の夜に篠宮君と十分ほどだけ歩いた道を何度も思い出していた。 別に大したことをしたわけではない。店が閉まる少し前に篠宮君が来て、近所を一周しながら手をつないで、九条家で聞いた水城志保さんの出生について少し話しただけだ。それでも「今日は一人で行ってよかった」と篠宮君が言ったことが、私には意外なくらい嬉しく残っている。 恋人なのだから、何でも一緒にやればいいわけではない。 一人でできることまで全部付き添えば、そのうち「一緒にいる」と「一人では何もできない」の境目がわからなくなってしまう。 そんなことを考えながら焼き菓子の袋へシールを貼っていると、母が隣から私の手元を見た。「今日はフィナンシェ、並べ直してないわね」「昨日のことまだ言うの?」「昨日はわかりやすかったもの。今日は少し落ち着いた?」「うん。篠宮君が自分で話聞いて、そのあと私にも話してくれたから」「ならよかったじゃない」「でも今日は、水城さんが九条家に行ってるらしいよ」
last updateÚltima atualização : 2026-10-02
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第56話 「次のデートは、私が蓮司を連れていく」御曹司に初めて“私の普通”を案内することにしました

第56話 「次のデートは、私が蓮司を連れていく」御曹司に初めて“私の普通”を案内することにしました 月曜日の朝、教室へ入ると、黒板の端に大きな文字で「進路希望調査・金曜提出」と書かれていた。 見た瞬間、私は思わず足を止めた。「うわ、来た」「何が?」 すでに隣の席へ座っていた篠宮君が顔を上げる。「進路希望調査。見えない?」「ああ」「その反応、薄くない?」「前からそろそろ来ると思ってたから」「私は見ないふりしてた」「見ないふりしても来るよ」「わかってるよ。だから嫌なんでしょう」 鞄を机へ置きながら黒板を見る。 二年生なのだから、まだ最終決定ではない。 それでも進学するのか、就職するのか、大学ならどんな学部なのか、少しずつ具体的に考え始めなければならない時期ではある。 私自身、大学へ行きたい気持ちはある。 ただ、何を専門にしたいのかと聞かれると、まだ自信を持って答えられない。 母の店が好きだから、将来ソレイユに関わることも考える。 でも、それは「母がケーキ屋だから私も」というだけで決めていいのかとも思う。「高梨は何書くの?」「今それ聞く?」「嫌なら聞かない」「嫌じゃないけど、まだ決まってない」「大学?」「たぶん。でも学部までは迷ってる。経営とか食品とか、全然違うこと勉強するのもいいなと思うし」「ソレイユを継ぐ?」「それもまだ決めてないよ」 答えながら、ふと篠宮君を見る。「そういう篠宮君は?」 今度は彼が少し黙った。
last updateÚltima atualização : 2026-10-07
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第57話 「婚約者候補だった頃、本当は建築家になりたかったの」彼女が選んだ進路を聞いて、御曹司は初めて謝りました

第57話 「婚約者候補だった頃、本当は建築家になりたかったの」彼女が選んだ進路を聞いて、御曹司は初めて謝りました 週明けの月曜日、私は進路希望調査の用紙を鞄へ入れたまま、朝から提出するかどうかを迷っていた。 大学進学希望。 興味のある分野は、経営と食品・商品開発。 そこまでは書いた。 けれど昨夜になって改めて読み返してみると、本当にこれが自分の興味なのか、それとも母がパティスリー・ソレイユを経営しているから、何となく自分もその延長線上へ進もうとしているだけなのか、急にわからなくなってしまったのだ。「高梨、さっきからその紙三回出したりしまったりしてるけど」 隣の席から篠宮君に言われ、私は進路希望調査を半分だけ鞄へ戻しかけた状態で止まった。「見てたの?」「見えるから」「最近みんな私の細かい行動に気づきすぎじゃない?」「わかりやすいんだと思う」「篠宮君に言われたくないなあ」「俺もわかりやすい?」「かなり」 そう答えると、篠宮君は少し考え、それから妙に嬉しそうな顔になった。「何でそこで喜ぶの?」「高梨が俺のことわかるって意味だから」「そうやって何でも恋愛に変換しないで」「でも違う?」「違わないけど、今は進路の話でしょう」「はい」 篠宮君は素直に引いた。 私はもう一度用紙を机へ置く。「篠宮君はもう出した?」「まだ」「何で?」「俺も少し書き直したい」「何を?」「興味分野」 見せてもらうと、昨日まで「経済・国際関係」と書いていた欄へ、薄く消しゴムをかけた跡が
last updateÚltima atualização : 2026-10-08
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第58話 「今日は別々に大学を見に行こう」恋人と一日離れてみたら、話したいことが増えました

第58話 「今日は別々に大学を見に行こう」恋人と一日離れてみたら、話したいことが増えました 土曜日の朝、私はいつものデートの日より少しだけ早く家を出た。 ただし、今日は篠宮君と待ち合わせをしているわけではない。 私は西園寺綾乃さんと建築学科の公開講座へ行き、篠宮君は相沢君と別の大学のオープンキャンパスへ行く予定になっている。 同じ日に別々の大学を見に行く。 文字にしてしまえばそれだけなのだけれど、付き合い始めてから休日に二人とも外出するのに、最初から別行動だと決めたのは初めてだった。「紗季、忘れ物ない?」 玄関まで見送りに来た母が聞く。「スマホ、財布、案内、筆記用具。大丈夫」「昼は?」「大学で食べる。学食も見られるらしいよ」「綾乃さんと?」「うん」「蓮君は?」「相沢君と別の大学」「本当に別々なんだ」「何、その意外そうな顔」「だって蓮君なら最後まで『同じ大学も見られない?』って言いそうじゃない」「言わなかったよ」「成長したのねえ」「本人もそれ気にしてた」 昨日の夜、篠宮君から届いたメッセージを思い出す。『明日、本当に別々でいい?』 そう聞かれたので、『いいよ。夜に感想交換しよう』と返した。 すると少し間を置いてから、『それなら楽しみ』と来た。 少し前なら、「一緒に行かない=自分といたくない」と考えたかもしれない人が、今は別々の経験をあとで話すことまで含めて楽しみにしている。 その変化は、私にも少し嬉しかった。「じゃあ行ってきます」「行ってらっしゃい。将来決めてこなくていいからね」
last updateÚltima atualização : 2026-10-09
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