「理由ではありません。始まりです」 「同じことです」 「違います」 「では、なぜ今それを語るのですか」 バルツァーは黙った。 クラリスは続ける。 「王妃執務院が弱った。人が足りなかった。記録が遅れた。それは事実かもしれません。ですが、そこから孤児院の冬服を削ることも、施療院の報告を商会に止めさせることも、王太子妃教育費を別の流れへ移すことも、自然には起こりません」 声を荒げる必要はなかった。 言葉だけで十分だった。 「誰かが選びました」 審問室が静まる。 「混乱は、罪ではありません。病も、罪ではありません。けれど、混乱を利用することは罪です」 バルツァーは、
Huling Na-update : 2026-09-20 Magbasa pa