部屋が静かになる。 ジュリアスは、逃げずに続けた。 「まったく覚えていない二十一件のうち、王太子妃教育関連支出に関わるものが六件。慈善物資関連が四件。残りは儀礼費と王宮備品費だ」 「ご自身で分類されたのですか」 クラリスが尋ねる。 「ああ」 ジュリアスは、少しだけ視線を落とした。 「分類してみると、自分がどれだけ見ていなかったかが分かる」 その声は、苦かった。 「報告書に入れてください。王太子署名管理の問題として」 レオンハルトが兄を見る。 「いいのか」 「いい」 「王太子府への批判になる」 「なるだろうな」 ジュリアスは頷いた。 「だが、入れなけれ
Zuletzt aktualisiert : 2026-09-21 Mehr lesen