リビングの照明をつけたまま、正樹は車庫から玲奈にもらった誕生日プレゼントを持ってきていた。青いベルベットの箱に指を添え、ふと手を止める。その重みを測ってみても、中身が何なのかまるで分からない。玲奈はこれまで、プレゼントをそのまま手渡してくることが多かった。こんなふうに、丁寧にラッピングされたものを渡すのは初めてだった。何が入っているのだろう。そう思うと、正樹は少しだけ興味をそそられた。箱を開けようとした、その時だった。テーブルの上に置いていたスマホが、不意に震えた。画面に表示された名前は――「花織」。暖かな光に包まれていた部屋の空気が、スマホの白々しい光によって、突然壊されたような気がした。正樹は、しばらく画面を見つめる。やがて、電話に出た。「正樹……どこにいるの?」電話の向こうから聞こえてきた花織の声は、少し舌足らずだった。まだ酔いが残っているらしい。「家だよ。どうした?」花織の声を聞いた途端、正樹は無意識に声を柔らかくした。そして――開けかけていたプレゼントの箱から、そっと手を離した。「なんだか気分が悪いの。すぐ来てくれない?」甘えるような声が耳に届く。正樹は箱をテーブルに置いた。電話を耳に当てたまま、もう片方の手で上着を取り、車のキーを掴む。「分かった。今行くから、いい子にして待ってて」花織の家に着く頃には、空がうっすらと白み始めていた。それから正樹は花織を寝かしつけたり、水を飲ませたりして過ごした。すべてが終わった頃には、もう疲れ切っていた。正樹はそのままソファに横になり、上着を掛けたまま眠りについた。目を覚ましたときには、すでに午後になっていた。ちょうど風呂から上がってきた花織が、ソファに座る正樹を見つける。寝ぼけたような顔をしている正樹の隣に、花織は部屋着のまま腰を下ろした。手にしていたタオルを差し出す。「正樹、髪乾かして」正樹は我に返ると、素直にタオルを受け取った。そして、花織の髪を優しく拭いていく。ある程度水気が取れると、今度は立ち上がって洗面所へ向かい、ドライヤーを持って戻ってきた。花織の髪を丁寧に乾かしていく。「花織。昨日、パーティーで言ってたことなんだけど――」髪を乾かし終えたところで、正樹がようやく口を開いた。けれど、その先を言う前
Read more