真也はゆっくり顔を上げ、真江を見る。その表情に、怒りも苛立ちもなかった。ただ淡々とした声で言う。「凛は言っていたでしょう。予定があるって」あまりにもあっさりした返答に、真江は眉をひそめた。まさか真也まで、そんな言葉を口にするとは思っていなかったのだ。「……真也まで、そんなことを言うの?」真江は不満そうに声を落とす。「昔のあなたは、こうじゃなかったのに」「昔の俺なら、何と言うんですか」真也の問いに、真江はすぐに答えた。「私が買い物に行く時も、テニスに行く時も、いつも凛に付き添うよう言っていたじゃない。本人が嫌がっていても、『それくらい我慢しなさい』って言っていたでしょう?それなのに……今
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