陸が凛を家まで送っている途中、港市から電話が入った。向こうで急ぎ対応しなければならない用事があるらしい。そのため、凛を家まで送り届けた後、陸は休む間もなく空港へ向かった。家に戻った瞬間、凛はようやく小さく息を吐いた。病院特有の消毒液の匂いは、思っていた以上に身体にこたえていたらしい。それに、昨夜は何度も悪夢を見た。夢の中で、凛は大会で問題が起きていた。何者かが自分を盗作だと疑い、父親にも「よくも俺の顔に泥を塗ったな」と言われた。そして、別の夢では――真也と一緒に役所へ離婚手続きに向かっていた。しかし、何をしても手続きは進まない。結局、自分は桐生家へ連れ戻され、またあの人たちと向き合うこ
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