外に出ると、待っているはずの4人は、もうどこにもいない。けれど、私は探しに行く気にもなれない。人の流れに紛れるように、フロートパレードのエリアへ向かった。梨乃は先頭のフロートに立ち、その周りを3人の男が取り囲むように並んでいた。まるで、姫を守る騎士みたいだった。「いいなあ。あれ、1ヶ月前に予約しないと乗れないらしいよ」隣の若い女性の声が耳に入る。私は黙って彼らを見つめる。京介が、梨乃の手を握っている。――1ヶ月も前から、予約していたんだ。それでも、私のことは忘れていた。私はそっと目をそらした。楽しそうに笑い合う観光客たちを前に、自分だけがまるで違う世界にいるような気がした。パレードが終わると、彼らは帰ろうとしていた私を見つけた。「千代、今までどこにいたんだ?ほら、行くぞ。レストラン予約してあるんだ。誕生日を祝うぞ」京介が私の手を取った。小川翔(こがわ しょう)と大沢風斗(おおさわ ふうと)も笑いながら頷く。「ずっと前から、千代のためにサプライズを用意してたんだよ」梨乃まで無邪気に笑っていた。私は一瞬だけ立ち止まった。本当に、私のために?今日が私の誕生日だって、ちゃんと覚えていてくれたの?けれど、そんな期待はレストランに着いた瞬間、あっさり砕けた。「申し訳ございません。ご予約は四名様で承っております。満席のため、お席の追加はできかねます」私は足を止めた。ほんの一瞬でも期待した自分が、馬鹿みたいに思えた。京介が呆けたように言った。「人数、間違えた」思わず、笑いそうになった。間違えた?情報系の学部で首席を取るあなたが、5人すら数え間違えるなんて。梨乃が困ったように眉を下げた。「どうしよう……私、ちょっとお腹空いちゃって……」京介たちが、何か言いたげに私を見た。「私が抜けるわ。みんなでゆっくり食べてきて」私が先に言うと、京介はすぐに笑った。「やっぱり千代は優しいな。そういや、ダイエットするって言ってたもんな」そう言って、京介は私の頭を軽く撫で、そのまま頬にもそっと触れた。翔と風斗は、すでに梨乃を連れて店の中へ入っていた。「入口で待ってて。終わったら呼ぶから」ガラス越しに見えたのは、楽しそうに笑い合う4人。梅雨のT市は蒸し
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