隣には、十二歳も年下の男がいる。そして自分は、明日会社にも行かない。いったい、どうしてこんなところまで来てしまったんだろう。考えると、笑いがこみ上げてきそうだった。ユゴンが息を整えながらソハを見た。ソハも彼を見返した。二人とも、何も言わなかった。説明する必要なんてなかった。その瞬間だけは、目的地さえそれほど重要ではなかった。ソクチョへ向かっているということより、普段の自分たちなら絶対にしないことをしているという事実のほうが、ずっと鮮明だった。ソハの手がユゴンの太ももの上を少しずつ上がっていく。やがて、熱を帯びた彼の体に触れた。ユゴンの呼吸が乱れた。「は……」熱い息がこぼれる。ソハはその息まで飲み込むようにキスをした。互いの距離はさらに近くなった。ユゴンの手もソハの服の上から彼女を強く抱き寄せた。人気のない後方座席。かすかな雨音。低く響くエンジン音。すれ違う車の風切り音。それ以外には、二人の息遣いしか聞こえなかった。ソハが触れるたびに、ユゴンの反応はますます隠しきれなくなっていった。それが妙に可笑しくて、同時に、どうしようもなく煽られた。ユゴンもまた、ソハの反応を確かめるように彼女へ触れた。ソハの呼吸が短くなっていく。「ん……」とうとうソハはユゴンのうなじをつかみ、そのまま唇を塞いだ。キスというより、漏れそうになる声を互いの口の中へ閉じ込めるためのものに近かった。ユゴンが触れるたびに、ソハの唇にも力がこもった。舌が絡み、離れ、また重なる。ソハは逃がさないようにユゴンを引き寄せた。うなじをつかむ手にも、次第に力が入った。「は……ん……」こらえきれなかった声が、唇の隙間からごく小さく漏れた。けれどすぐ、エンジン音に紛れた。濡れた路面をタイヤが切る音。窓を叩く雨。反対車線を車が通り過ぎるたびに響く短い風の音。そのすべての雑音の中に、二人の乱れた呼吸が混ざった。もっと。もう少しだけ。ソハは一瞬、これ以上のことまで求めそうになった。ユゴンも、それに気づいたようだった。至近距離で目が合う。けれど、そこまでだった。ここがどこなのかを、二人とも忘れてはいなかった。前方には他の乗客がいる。運転席には運転手もいる。暗くて静かだからといって、二人だけの空間
Last Updated : 2026-10-22 Read more