「来てよかった」 オープンキャンパスの全イベントを堪能した後、大学の敷地を出たとき、俺は思わず声に出していた。「喜んでもらえてよかったです」 このままお開きってのも……。俺はまだ帰りたくない気持ちでいっぱいだった。「あの……、お腹減ったよね。よかったら、一緒にご飯に行かない?」 俺の中の人は一旦は七十七歳まで行った人だ。十七歳の女の子を誘うのは造作もないこと。脳内のエズラで行ったら、おじいちゃんが孫娘くらいの年齢の女の子を食事に誘っているという気持ちの悪い光景になっていそうだ。 ただ、俺は既に十七歳マインドを取り戻しつつあるので、ドキドキだ。人生ってのは前世の記憶があっても、今は今らしい。俺は十七歳、よし!「そうですね、もうお昼過ぎてますし。どこ良いとこありますか?」 あっさりOKしてくれた。 いや、お嬢様コーデのアヤノさんめちゃめちゃかわいいからそれだけで密かにガッツポーズをしてしまった。脳内の俺はジャンプして喜んでるけど、現実の俺はできるだけクールに振舞っている。 色々オシャレな店に連れて行きたいところだけど、こんなときは迷えば迷うほどドツボにはまるのは前世で経験済みだ。俺は即決で視界に入った、大学のすぐ近くにあるファミレスで遅めの昼食をとることにした。 幸い少し昼時の時間を外したからか、ファミレスは待たずに入れた。待つとしたら、こんなときの話題は準備していなかったので、今さらながら安心した。 そして、注文。 あれ? こんなときって、どんなメニューを頼むのが正解なんだ!? ハンバーグ定食をもりもり食べるのもデートっぽくない気がする。スパゲティミートソースは食べたら確実にソースを飛ばしてしまう。ヘタしたら、アヤノさんのお嬢様コーデまで飛ぶかも。 アヤノさんの注文は……サラダとサンドイッチ! スマートだ。実にスマートだ。 俺もサンドイッチ……。いや、肉が食いたい。今日のランチはハンバーグ定食。それだ。それを食いたい。でも、デミグラスソースが飛んだら……(以下略) そんな中、俺はメニュー表に光明を見つけた。『おろしそハンバーグ』 そうか、おろしハンバーグってのはいつ頼むもんかと思ったら、若者がデートのときに注文するものだったのか!(※注:違います) ファミレスが男用にガッツリ食べられて、汁を飛ばさないために開発されたメニュー
آخر تحديث : 2026-09-27 اقرأ المزيد