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アニメ化される際に最も変化するのは時間軸の扱い方だと思う。小説では数ページかけて描写される戦闘シーンが、アニメでは数十秒に凝縮される。『ソードアート・オンライン』のアインクラッド編では、キリトとアスナの関係性の発展が原作より早いペースで進んだ。逆に『ゆるキャン△』のような日常系作品では、アニメのゆったりした時間進行が原作の雰囲気をうまく再現している。音楽や声優の演技といった要素が加わることで、原作では気づかなかったキャラクターの魅力に気付くことも多い。
小説とアニメの違いを考えると、まず表現媒体の特性が大きく関わってくる。文字で描かれた心理描写や情景は、読者の想像力に委ねられる部分が大きい。一方アニメは視覚と音響で直接的に世界観を伝えるため、例えば『氷菓』の节能主義者の折木奉太郎のモノローグが、アニメでは表情の微変化や背景音楽で表現される。
原作ファンからすると、アニメ化で削られるエピソードが惜しい場合も多い。『とらドラ!』のサブキャラの過去エピソードのように、尺の都合でカットされることでキャラクターの厚みが減ってしまうことも。ただしアニメならではのメリットもあり、『化物語』の斬新な画面構成のように、媒体を活かした演出が原作の良さを引き立てるケースもある。
キャラクターデザインの違いは常に議論の的になる。小説の挿絵とアニメのデザインが一致しない場合、ファン層が二分されることも。『Re:ゼロから始める異世界生活』のエミリアは、原作挿絵よりもアニメ版の方が幼い印象を受けるという意見がある。一方で『ジョジョの奇妙な冒険』のように、アニメ化で荒木飛呂彦先生の独特な画風を再現したことで新規ファンを獲得した例も。媒体の特性上、アニメでは動きのあるシーンでキャラクターの個性が強調されるため、アクションシーンが多い作品ほどこの差が顕著に表れる傾向がある。
物語の解釈の幅も媒体によって異なる。小説では曖昧に書かれた設定が、アニメではスタッフの解釈で具体化されることがある。『魔法少女まどか☆マギカ』の魔女の結界デザインは、原作小説よりもアニメの方が圧倒的に情報量が多い。このようにアニメスタッフのクリエイティビティが加わることで、原作の世界観が拡張されるケースは少なくない。ただしそれが原作ファンのイメージとズレる場合もあり、賛否が分かれるポイントになる。
細かい設定の扱い方に注目すると興味深い違いがある。小説では登場人物の思考や背景設定が詳細に語られるが、アニメでは視覚的なヒントに置き換えられる。『進撃の巨人』の壁外調査の描写は、原作では政治的な駆け引きの説明にページを割いているが、アニメでは兵士たちの表情や作戦会議の緊迫感でそれを伝えている。このように情報の伝達方法が変わることで、同じストーリーでも受ける印象が変わるのが面白いところだ。