音楽について触れた場面も印象的で、穏やかだけれど空白を残すような選曲は、映像の静けさを壊さないよう意図されたものだと語っていた。個人的には、監督が表現した「届かない距離感」が、映像の粒子や光の扱いからじわじわ伝わってくるのが好きだ。『Voices of a Distant Star』から続く作家性がここではさらに研ぎ澄まされていると感じるよ。
また、結末をあえて明確にしないことで、観る者自身の記憶や未練をスクリーンの余白に投影してほしいという監督の意図も語られていた。感情の抑制と映像の詩性が同居する作風は、『The Garden of Words』で見られる繊細さとは別の鋭さを持っていると感じられる。そうした細部へのこだわりが、作品の強度を高めていると思う。
演出面では台詞を削ぎ落とし、表情や風景で感情を伝えるという選択をしたと聞いた。カット割りや間の取り方に実験的なアプローチがあり、観客に余白を残すことで余韻を生む狙いがあったらしい。個々のシーンは短いけれど、編集でつなぐことで長い時間の流れを感じさせる構成にしている点が興味深かった。『The Place Promised in Our Early Days』とはまた違った映像言語の成熟が見える。