報われなかった青春を弔う私は、あまり有名ではないけれど、愛に満ちたカップル垢をフォローしていた。
そこには、投稿者と彼氏の日常のささやかな出来事が綴られている。
彼らはラーメンを分け合うことで言い合いになっても、次の瞬間、互いの顔を見合わせると、相手を「大人になれない子どもだね」と笑い合った。
また、山頂の星空の下で強く抱き合い、「この瞬間で時間が止まってしまえばいいな」と語り合った。
投稿者は一度も顔を見せなかったけれど、彼女の言葉に、私は深く胸を打たれていた。
そして、私が結婚する前日、そのアカウントの投稿が再び更新された。
【十年にわたる恋は、ここで終わりを迎える。
これから彼は彼女の夫、私は彼女の親友になる。
このアカウントは更新を終了する。私のいちばん大切な友人と、彼女がいちばん愛している男が、永遠に幸せでありますように】
添えられていた写真は、私、松本彩織(まつもと さおり)と婚約者の後ろ姿だった。