深き夢、儚き花「栗原さん、今回のプロジェクトのテスターになるということでよろしいでしょうか?
念のため申し上げておきますが、このプロジェクトへの参加がもたらす結果はただ一つです。
つまり、あなたはいずれかの時空へ転送され、この世界から姿を消すことになります。
会社の上層部としましては、やはり慎重にご判断いただきたいと……」
担当者の言葉が終わる前に、私は静かに口を挟んだ。
「考える必要はありません。消えることこそ、私が一番望んでいる結果です」
こうするしか、横山雅紀(よこやま まさのり)親子に見つからずに済む方法はないのだ。