僕はまずデビュー作から入ると、創作の出発点がよく見えると思っている。1926年の『Soldiers' Pay』は作家としての試行錯誤が感じられる一冊で、続く1927年の『Mosquitoes』で文体の実験が続く。1929年には大胆な語り口で知られる『The Sound and the Fury』が登場し、同年に発表された『Sartoris』は地方社会を描く重要作だ。その流れを受けて1930年の『As I Lay Dying』では多声的な語りが完成形に近づく。
これらを年代順に追うことで、フォークナーがどのように語りの幅を広げ、テクストで遊び始めたかが実感できる。個人的には『The Sound and the Fury』で作家としての決定的な躍進を感じるので、最初に手に取るには格好の順序だと思う。最終的に読む順を決める楽しさも残しておきたい。
'ジェニーロペス'や'ポップス'みたいな一般的な選択肢ではなく、陰影や緊張感を重視するなら、'There Will Be Blood'のサウンドトラックは外せない。弦楽器の不安定な響きが場面の暗さを増幅してくれて、静かな会話ですら張り詰めた空気になる。個人的には、ウィリアムフォン作品のミニマルで陰鬱な瞬間に最もしっくり来る。
次に、シンセで組み立てられた近未来的なテクスチャを求めるなら'Blade Runner'を。都市の広がりや孤独感を音で表現したいときに重宝する。最後に、電子音とアンビエントのバランスが秀逸な'The Social Network'は、緊迫しつつも冷静な叙情性を持ち合わせていて、人物描写に寄り添わせやすい。これらを場面ごとに使い分けるだけで、作品の表情が一気に深まると思う。