その刃は、声なきままに首を断つ 過去の事件により、記憶を封じられた殺し屋。
アラーナ・ノクターン。
王国の闇を歩き、命じられた首を、ためらいなく狩る。
その動きは祈りのように静かで、その刃は、夜気よりも冷たい。
語ることも、嘆くこともなく、彼女の存在は風のように通り過ぎる。
光は届かず、血も熱を持たない。
世界の底で、ただひとり、彼女は「沈黙」という名の孤独を抱いていた。
けれど、刃が触れるたびに、ほんの一瞬だけ、生と死のハザマに“音”が生まれる。
誰にも届かぬその音こそ、彼女がこの世に残せる唯一の“声”。
――その刃は、声なきままに首を断つ。
アラーナの声は、ひとつの詩となる。