入門の第一歩として役立つのは、観察と比較の視点を同時に学べる教科書だ。私が最初に手に取るなら、動物行動学の定番である'Animal Behavior: An Evolutionary Approach'を勧めたい。種ごとの繁殖戦略や交尾行動のパターンを俯瞰できるので、個別研究を読むときに「この行動はどの選択圧で説明できるか?」と問いを立てやすくなるからだ。
次に、類人猿や霊長類の具体例を通して人間の性行動を比較したいなら'Primate Sexuality'が役立つ。個体間差や社会構造が交尾にどう影響するかが実例ベースで学べるため、進化論的な仮説と観察データの結びつきを意識する訓練になる。最後に実験や観察の設計、データ収集の基本を押さえたいときは'How to Measure Behaviour'(日本語版タイトルがある場合も)を参照すると、論文の方法欄を読む力がぐっと伸びる。