真心は移ろいやすい私は桐島西洲(きりしま さいしゅう)の手紙に、少しずつ落とされた。
一通、また一通――あの人は、そうやって私を手に入れた。
遠距離恋愛。
私たちは、あの四年間をひたすら信じて、耐えて、続けてきた。
今でも覚えている。
お急ぎ便で届いた便箋の手触りも、最後に必ず書かれていたあの言葉――【愛してる、西洲より】
だから私は、一度たりとも、彼の本気を疑ったことがなかった。
あの女に会うまでは。
私の娘より二歳年上の、まだ幼さの残る女。
彼の子どもを宿したそのお腹は、少しだけ膨らみ始めていた。