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「まかり通る」をテーマにした作品を探すなら『PSYCHO-PASS』のシビュラシステムが代表的です。市民の幸福を謳いながら実は徹底的な監視社会であるという矛盾が、何の疑問もなく受け入れられている様子は、まさにこの言葉が示す状態そのもの。
面白いのは、登場人物たちが最初はシステムを疑わないところから始まり、徐々にその矛盾に気づいていくプロセスです。この「気づき」の描写こそが、『まかり通る』というテーマを深掘りする鍵になります。シビュラシステムがなぜ成立したのか、人々がなぜ疑問を持たないのかという背景設定まで考えると、このテーマの奥深さが見えてきます。
『まかり通る』という言葉には、権力や不条理が何の抵抗もなく通用してしまう状況を表現する切なさが込められています。
例えば『進撃の巨人』の壁内世界では、王政の欺瞞が長年まかり通っていました。住民たちが真実を知りながら声を上げられない構図は、現代社会の縮図のようにも感じます。特にエルディア人の差別問題は、現実の歴史にも通じる重たいテーマです。
この言葉が持つニュアンスを理解するには、単に辞書的な意味を超えて、それが描かれる文脈を読み解く必要があるでしょう。作品によっては、登場人物たちが『まかり通る』不条理にどう立ち向かうかが物語の核心になることもあります。
『鋼の錬金術師』の人造人間たちは、人間社会にまかり通る矛盾を体現している存在です。特にグリードが人間社会の矛盾に気づきながらも、結局は同じパターンに囚われる様子は印象的でした。
この作品では、『まかり通る』システムの危険性だけでなく、それにどう折り合いをつけるかという難しい問題も扱っています。時にはシステム内で戦う選択も、完全な破壊とは違う解決策になり得るという示唆は、現実の社会問題を考える上でもヒントになります。
あるコミュニティで話題になったのが、『まかり通る』不条理を逆手に取った『デスノート』の夜神月の行動です。彼は「悪がまかり通る世界」に反発し、独自の正義で対抗しようとしますが、結局は同じ過ちを繰り返すことになります。
この作品が示唆しているのは、『まかり通る』不正に対して単純に逆らうだけでは解決にならないという皮肉です。月の失敗は、システム自体を変えずに個人の力で立ち向かうことの限界を描いています。
こうした作品を複数比較してみると、『まかり通る』という現象に対する多様なアプローチが見えてきて、テーマの解釈が広がります。