翻訳ソフトが出力する『How fearsome!』では全く伝わらないニュアンスがありますよね。実際に海外ファンと話していると、『恐るべし』のような表現は『That's some next level shit』なんてスラングで訳されることも。
特に興味深いのがアニメファンサブの傾向で、『Bow before his majesty!』のように台詞を膨らませる手法が頻繁に見られます。これは日本語の四字熟語的表現と英語の修辞的表現のギャップを埋める知恵。『デスノート』の海外版でライトが『Kneel』とだけ言うシーンなんか、まさにこの問題を解決した好例です。
個人的に秀逸だと思ったのは『ブレイキング・バッド』のワルター・ホワイト評に使われた『Heisenberg is to be feared』という表現。主語を際立たせる構文が、日本語の『恐るべし』が持つ威圧感を巧みに再現していました。英語圏の作品は往々にして感情を行動で表現しますが、日本作品の定型句を訳す時はこうした文法の工夫が必要不可欠です。