また、海外作品だと『The Book Thief』(日本語版タイトル『本の泥棒』)では、主人公のセリフに「I cried」という表現が頻繁に出てきます。泣くという行為をタイトルに含めるのは、感情の強さを表現するのに効果的だからでしょう。最近の作品だと、『君の膵臓をたべたい』にも泣けるシーンが多く、読者から「泣いた」という感想がよく聞かれます。
最近読んだ中で特に印象に残っているのは、'No Game No Life'のシュヴィと白の関係を深掘りしたファンフィクションです。元々はライバルとして火花を散らす関係だったのが、徐々に互いの才能を認め合い、やがて複雑な感情へと発展していく過程が丁寧に描かれていました。特に白の内面の変化が繊細で、ゲームを通じて相手を理解していく様子に引き込まれました。
この作品の素晴らしい点は、敵対関係の緊張感を保ちつつ、微妙な距離感の変化を自然に表現しているところです。最初は言葉少なだった白が、少しずつ心を開いていく描写は胸に迫るものがありました。作者の筆致が二人の心理描写に長けており、感情の揺れが手に取るように伝わってきます。