『クローバーの国のアリス』のファンフィクションで、主人公と時間切れの恋人との別れを描いた『砂時計の向こう側』という作品が胸に刺さります。
背景の「
時計塔」という設定を活かし、文字通り刻々と迫る別れの時間を可視化する手法が秀逸。キャラクターたちの諦めと希望が交錯する会話からは、諍いを超えた深い愛情が伝わってきます。特に
雨音を背景にした最終シーンでは、触れ合う指先から滲む体温の描写がリアルで、読後何日も頭から離れませんでした。
作者は惜別の瞬間を「静止した時計の針」というメタファーで表現し、物理的な別離と心の繋がりの対比を見事に描き出しています。