「足掻く」という言葉、調べてみるとすごく興味深い背景があるんだよね。もともとこれは文字通り「足で掻く」動作から来ていて、馬や牛が地面を蹴る様子を表していたらしい。そこから転じて、苦しい状況で必死に抵抗する意味になったんだ。
平安時代の文献にも登場する古い言葉で、当初は物理的な動作だけを指していたのが、中世にかけて
比喩的に使われるようになったみたい。『源氏物語』にも似た表現があるけど、現代のようなニュアンスで使われ始めたのはもう少し後の時代かな。生き物の本能的な動きから、人間の心理状態を表現する言葉へと発展した過程が面白いよね。
現代ではスポーツの試合で劣勢のチームが「足掻いている」とか、日常生活でも「もがく」に近い意味で使われるけど、この言葉の持つ原始的な力強さは、千年以上前から連綿と受け継がれているんだ。