『不乱』の作者について調べたところ、かなりユニークなバックグラウンドを持っていることが分かりました。もともと法学部を卒業後、法律事務所で働いていた時期もあるそうですが、
ある日突然創作の道に転向したとのこと。この転身は当時の同僚たちにも驚かれたらしく、本人は『文字で人を動かす仕事がしたかった』と語っています。
初期はライトノベルのアンソロジーに短編を投稿するなどしてキャリアを積み、『不乱』で初めて長編デビューを果たしました。作品の特徴である緻密な心理描写は、法律家時代に培った観察力が活かされているように感じます。最近のインタビューでは、法律家と作家の二つの経験が『人間の本質を見極める訓練になった』と述べていて、なるほどと思わせます。