『羅生門』で描かれる人間の本性とはどのようなものですか?

2026-01-18 23:18:11 84

3 Jawaban

Wesley
Wesley
2026-01-23 06:28:17
読むたびに新たな発見があるのが『羅生門』の魅力だ。特に興味深いのは、老婆が髪を抜く行為を「生きるためなら仕方ない」と正当化する論理。これは単なる自己弁護ではなく、人間の利己性が社会システムに組み込まれていることを暴いている。

下人が最初に感じた義憤が、自身の飢えという現実の前に崩れ去る過程は、リアリズム文学の真骨頂と言える。平安末期という乱世の設定も、人間の本性が平時とは異なる形で現れることを暗示している。現代社会における「普通の善良な市民」が、非常時には豹変する可能性を考えると背筋が寒くなる。
Vanessa
Vanessa
2026-01-24 09:46:04
『羅生門』の人間描写で鋭いのは、善悪の境界線が曖昧になる瞬間を捉えている点だ。老婆が死人の髪を抜くというグロテスクな行為も、彼女の必死の論理が奇妙な説得力を持ってくる。

下人の変化が示すように、人間は自己保身の前に道徳など簡単に捨て去る存在なのかもしれない。ただし、この作品を単なる人間嫌悪と読むのは浅はかだ。むしろ、そうした本性を直視した上で、いかに人間らしさを保つかという問いが潜んでいるように感じる。雨の中の羅生門が象徴する不確かさは、現代の私たちにも突きつけられた命題だ。
Wyatt
Wyatt
2026-01-24 12:17:57
芥川龍之介の『羅生門』が描く人間の本性は、究極の生存本能と道徳的葛藤の狭間にある。下人と老婆のやり取りを通じて、飢餓や貧困という極限状況下で、人間がいかに容易に倫理観を捨て去るかが浮き彫りになる。

面白いのは、最初に下人が老婆を非難する場面だ。「鬼婆」と罵りながら、結局自分も同じ行為に手を染める。この急転回が示すのは、善悪の判断が環境に左右される相対的なものだということ。現代の私たちも、自分が同じ立場ならどう行動するか考えさせられる。

最終的に雨に煙る羅生門の描写は、人間の本性に対する芥川の冷徹なまなざしを象徴しているようだ。どこか諦観を含んだ終わり方に、深い余韻が残る。
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