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関西では『あたふた』に『しどろもどろ』の意味も込めて使うことがある。説明会で質問されて答えに困っている新人さんを見て『あの子、あたふたしてるわ』なんて言ったり。全国共通語だと思っていたら、地域によってニュアンスが少し違うみたいで面白い。
舞台挨拶で緊張した役者がセリフを噛んだ時、共演者が『あたふたしてごめんなさい』とフォロー入れるのもよくある光景。多少の失敗を包み込める、温かみのある表現だと思う。
擬音語・擬態語の面白さを教えてくれたのが『あたふた』だった。小学生の時、国語の授業で『慌てる様子を言葉で表現してみよう』と言われて、この言葉を知った。テレビアニメ『サザエさん』の波平が、大家さんに急に呼び出されて慌てるシーンを先生が例に出してくれて、今でも覚えている。
同様の言葉に『てんてこまい』があるけど、『あたふた』の方が動作の慌ただしさが強調される気がする。二語繰り返すリズムが、足早に動き回る様子をより際立たせているんだろうな。
この言葉を分解すると『あた』は当てずっぽう、『ふた』は二つを意味する古語らしいけど、真偽は定かじゃない。でも確かに、落ち着きを失って右往左往している時って、思考も二つの方向にブレてる感じがするよね。ゲーム『ドンキーコング』のキャラがバナナを追いかける時の動きなんか、まさに『あたふた』のビジュアル表現だと思う。
若い世代だと『パニクる』と言い換えることもあるけど、『あたふた』にはどこか愛嬌があって、見ていて微笑ましいニュアンスが含まれている気がする。失敗しても憎めないキャラに使われることが多い言葉だね。
『あたふた』って聞くと、慌てふためくキャラクターを思い出すんだよね。特に『ちびまる子ちゃん』のまる子が宿題を忘れて学校へ駆け込むシーンとか、まさにこの言葉がぴったり。動作と心理状態が同時に表現できる便利な擬態語で、日常会話でも『あたふたしながら駅まで走った』なんて使う。
面白いのは、漫画の効果音として『アタフタ』と表記されることもある点。文字を見ただけで焦っている様子が伝わってくるから、日本語のオノマトペって本当に豊かだなと感心する。特にギャグ漫画では、登場人物の動きを強調するために大きく描かれることが多い印象。
昔読んだ『走れメロス』の翻訳本で、主人公が城へ向かう途中で『あたふたと駆け抜けた』という表現があった。西洋文学の翻訳に日本の擬態語が使われると、不思議としっくりくる場合があるんだ。特に時間に追われる緊迫感を、たった三文字で表現できるのは日本語の特権かもしれない。
最近だとVTuberの配信で『あたふた配信』なんてタイトルを見かける。準備不足でトラブル続きの生放送を、逆にチャームポイントとして売り出す用法が興味深い。言葉の使い方は時代と共に変化していくんだなと実感させられる。