ホテルにはいろんな“問題を抱えた住人”が集まり、彼らの内面や過去が少しずつ明かされていく。自分は特にアラスターの存在感に引き込まれた。彼は強大だが常に皮肉を帶びた微笑みを見せ、チャーリーの計画にどう関与するのかが物語の見どころになる。全体としてはブラックユーモアとシリアスなテーマが混在していて、観るたびに解釈が変わるタイプの作品だ。参考までに似たノリの別作品としては'The Devil Is a Part-Timer!'のように悪魔や地獄の存在を日常に落とし込む試みを連想したけれど、トーンはかなり異なる。
私が注目するのは、単純な善悪二元論を避けているところだ。例えばエンジェルダストの利己的な振る舞いやアラスターの策略は、ただの悪役描写に収まらず彼らの事情や矛盾を示している。物語は時に激しく、時に切なく、視覚的にも刺激が強いので好みは分かれるだろうけれど、自分には強い印象を残した。別の視点で言えば、心理戦や権力の力学に興味がある人には' Death Note 'のような緊張感も感じられる場面があると思う。
耳に残る旋律と台詞の絡み合いには、物語を動かす力があると感じる。サウンドトラックは単なる背景音ではなく、登場人物の感情や世界観を音で語らせる役割を果たしていると思う。特にパイロットの大曲、'Inside of Every Demon Is a Rainbow'はその最たる例で、歌と演技が一体になって場面の緊張感やユーモアを増幅している。歌詞の一つ一つがキャラの内面を補完し、メロディは耳に残るが押し付けがましくないバランスだ。
編曲の面ではジャズ、ブロードウェイ、レトロなラジオ風サウンドが交錯していて、その混ざり具合が作品の矛盾だらけの地獄世界にピタリとはまる。ボーカルの表現力も強く、ドラマ性を最後まで引っ張ってくれるから、僕は繰り返し聴いて新しい発見を楽しんでいる。サウンドトラックは単独でも楽しめるし、映像と合わせると何倍も味わい深くなる。