昨年聴いた『The Last Podcast』で、美術界を震撼させた贋作事件のドキュメンタリーシリーズが印象的だった。
オランダ人画家ハン・ファン・メーヘレンの生涯を追った回では、ナチス高官へ売りつけた偽フェルメール作品の制作過程が音声で再現され、筆致の解析から化学的な古色処理まで、犯罪者的才能の恐ろしい魅力が伝わってきた。
特に興味深かったのは、戦後法廷で自ら絵筆を握り贋作を証明するシーンの臨場感で、裁判記録をもとにした声優の熱演が耳に残る。
『The Black Dahlia』事件に基づいたオーディオブックは、1947年のロサンゼルスで起きた実在の未解決殺人事件を扱った作品だ。被害者エリザベス・ショートの残酷な死は、都市伝説と化しながらも、ジャーナリストや作家の想像力を刺激し続けている。
特にジェームズ・エルロイの同名小説を原作とするオーディオブックは、事件の暗部を掘り下げつつ、当時の警察組織の腐敗や社会の暗部を浮き彫りにする。ナレーターの重厚な声が、リスナーを1940年代の陰鬱なロサンゼルスへと引き込み、事件の不気味な空気を再現している。