アスタロトという名前を聞くと、まず思い浮かぶのは悪魔学の世界観ですね。この存在は中世ヨーロッパの魔術書やキリスト教の悪魔学において重要な位置を占めています。
元々は古代中東の女神アシュトレトに起源を持つと考えられています。フェニキア人やカナン人に信仰されていた豊穣と愛の女神で、バアル神と対をなす存在でした。これが旧約聖書で『アシュトレト』として言及され、偶像崇拝の対象として非難される過程で、次第に悪魔的なイメージが付与されていったようです。
15世紀頃の魔術書『レメゲトン』では、地獄の大
公爵として描かれ、40の悪魔軍団を統率する強大な存在とされています。興味深いのは、アスタロトが堕落天使としての側面も持っている点で、元は智天使だったという説もありますね。
現代のポップカルチャーでは『悪魔城ドラキュラ』シリーズや様々なファンタジー作品に登場し、そのイメージはさらに多様化しています。神話から悪魔学、現代のエンタメまで、長い変遷を経て今に至る存在と言えるでしょう。