作るときにまず気をつけるのは、原作のシルエットを崩さないことだ。'ベルサイユのばら'の
オスカルは軍服調で肩の張りとウエストの絞りがトレードマークだから、ジャケットの寸法と肩幅を正確に取るのが最重要になる。僕はいつも既製のパターンをベースにして、肩やウエストを補正するトワル(仮縫い)を作る。これで最終生地に入る前に形の確認ができる。
次に素材選び。表地はウール混や中厚のギャバジン、生地のハリで軍服らしさが出る。裏地は滑りの良いポリエステルやキュプラにして着心地を確保する。肩章は芯材に厚手の接着芯+フォームを重ねて形を作り、金色のコードやブレードで縁取る。ボタンや飾りは真鍮調のものを探すか、既存ボタンに塗装で加工して統一感を出す。
仕上げでは内側の補強を忘れずに。縫い代にはバイアステープやバイアスで始末して耐久性を上げる。トラウザー(ズボン)はハイウエストにしてジャケットとのバランスを取ること、ブーツカバーでシルエットを整えることもポイントだ。ウィッグは短めで前髪を下ろすアレンジが決め手。全体を通して仮縫いを複数回やると、かなり安定した仕上がりになるよ。