当初のスーツと小さなヘルメットから、
オリマーの造形は確実に変わってきた。僕は初代ゲームのポリゴン表現を見たとき、デザインが機能優先で整理されているのが面白いと思った。遠目でもわかる太いシルエット、目立つヘルメット、そして愛嬌のある小さな手足──これらはプレイヤーが画面上で瞬時に識別できるよう意図された要素だ。テクスチャが粗くてもキャラクター性が損なわれないよう、頭部とスーツのコントラストが強調されていたのが印象的だった。
その後の続編を追ううちに、僕は細部の変化に心を奪われた。表情の表現が豊かになり、ヘルメットやスーツの素材感がより丁寧に描かれるようになったことで、キャラクターに“疲労”や“困惑”といった微妙な感情が乗るようになった。これにより、単なる操作キャラではなく一人の存在としての共感が生まれた気がする。身体のプロポーションもわずかに調整され、頭部の丸みや手足の比率が変わることで動作の印象が柔らかくなったのが大きい。技術的な進歩がデザインの細かさに直結して、表情豊かなアニメーションが可能になったのだと思う。
最新作あたりでは、装備のディテールや色味、汚れの表現などがさらに洗練され、背景や光との相互作用を意識した造形が目立つ。僕はこの変化を、単に“見た目が良くなる”以上のものとして受け取っている。キャラクターの生態や物語性がビジュアルに落とし込まれ、プレイヤーが彼の置かれた状況を直感的に理解できるようになったからだ。そんな進化を見届けるたびに、キャラクターデザインがゲーム体験に与える影響の深さを改めて実感する。