この件について掘り下げると、声のクレジットの扱いがけっこう興味深い方向に広がるよ。ゲーム本編における
オリマーの“声”は、言葉を喋るものではなく、感情や状況を示す短いヴォーカルノイズ(うめき声、呼びかけ、小さな歓声など)で構成されている。そのため、個々の音は任天堂のサウンドチームや効果音担当が制作・編集するケースが多く、明確に一人の声優が常に担当しているとクレジットされないことが多い。だから「誰が声を当てたか?」という問いには、ゲームごとに音声制作陣の手が入っていて一意に答えにくい、というのが現実的な答えになる。
自分はこれをプレイしてきた経験から、作品ごとの演技の違いをはっきり感じ取っている。例えば初期の『Pikmin』シリーズではオリマーの鳴きはやや繊細で驚きや戸惑いを強調することが多く、キャラクターの「小ささ」「異星での不慣れさ」が音だけで伝わるようになっている。一方で『Pikmin 3』以降になるとオーディオ品質が上がり、息遣いや短い叫び、指示音がより明瞭になっていて、行動に対する意志やリーダーシップの片鱗が音声からも感じられるようになった。
さらに外部タイトル(例えば格闘系のクロスオーバーなど)に登場すると、演出の都合で音の長さや強さが変わる。即時性を求められる場面では短く鋭い音にカットされ、物語内の感情表現を重視する場面では少し伸ばされたり微妙にトーンが変わったりする。総じて言えるのは、オリマーの「声」は台詞ではなく演技的な効果音の積み重ねであり、その作り手や用途によってニュアンスが変わるということだ。個人的には、その非言語的な表現こそがオリマーの魅力の一つだと感じている。