手早く確実に素材感を出したいならチェックリスト方式が便利です。自分の現場でよく使う手順を簡潔にまとめると次の通りです。
1) 光の方向を決める:サイド光や低い角度のリムライトで繊維の凹凸を浮かせる。
2) 光の硬さを調整:硬めで繊維を強調、柔らかめでトーンを均す。
3) 反射管理:偏光フィルターや角度を変えて不自然なグレアを抑える。
4) 部分照明:グリッドやスポットで質感を強調したい箇所だけハイライトを当てる。
このやり方は映画やドラマの衣装撮影でも役立っていて、自分が参考にしたのは古い
修道院を舞台にしたヴィジュアル作品での衣装ルックです。'黒い
修道女の肖像'のような作品を観ると、暗い色の布でも光の当て方ひとつで繊維が生きることがよくわかります。現場で一つずつ試してみれば、素材ごとの最適な光が見えてきますし、結果も自然に伝わります。