特に印象的だったのは、キュゥべえがマミの家を訪れる描写で、窓から差し込む夕陽がまるで運命を暗示しているようだった。契約というより、少女の人生をゆっくり染めていく過程が、甘くも痛々しい。この手の作品を探すなら、AO3で『Before the Ribbon』や『Teacup Paradox』というタグがおすすめだ。
最近読んだ中で特に印象に残っているのは、'ユーリ!!! on ICE'のファンフィクションで、ヴィクトルとユーリが深夜のカフェで偶然出会う話だ。氷の上とは違う、等身大の二人が描かれていて、ヴィクトルがユーリに自分の不安を打ち明けるシーンが胸に刺さった。普段はクールなヴィクトルの脆さと、ユーリの意外な冷静さの対比が絶妙で、キャラクターの深みを感じられる。スケートリンク外での交流を描いた作品は多いが、これほど自然な会話と心理描写を兼ね備えたものは珍しい。作者の観察眼が光る、大人向けの繊細な作品だ。
特に好きなのは、二人が外に出て雪が降る中、息が白くなる様子を描写した部分。言葉少ななのに、お互いの気持ちが伝わってくる。氷上の演技とは違う、静かな情熱が感じられて、何度も読み返してしまう。こういうスローライフ的な瞬間を切り取れる作者は本当に素敵だ。