頭に浮かんだのは、コンセプトを徹底的に絞り込むことだった。
藁人形というモチーフはホラー的な側面だけでなく、アンティークなクラフト感や手作りの温もり、さらには反権威やお守り的なニュアンスまで含められる。自分ならまず、ターゲット層を三つに分ける:ダークファッションを好む若年層、ハンドメイドやクラフト好きな層、コレクター向けの高価格帯。各層に合わせて商品ラインを用意することで、同じモチーフでも受け取り方を変えられると考えた。
商品のバリエーションは重要だ。エントリーモデルとして布製の小さなキーホルダーやピンズ、真新しい層には刺繍パッチやアクリルスタンドを並べる。クラフト好き向けにはキット形式で、ユーザーが自分で藁人形を作れるセットを出す。コレクター向けには一点物のハンドステッチ版や、限定番号入りのエディションを作ればプレミア感が出る。素材や仕上げで価格差を付けると、リピート購入やギフト需要も喚起できる。
プロモーションはストーリーテリング重視にするつもりだ。単なる商品写真ではなく、短い背景ストーリーや「藁人形の由来」風の小話を添え、購入者が感情移入できるようにする。SNSでは製作過程のタイムラプス、カスタマイズのビフォーアフター、ユーザーによる着用や飾り方投稿を促す。謝意を示すメールやパッケージ内の小さな説明カードでブランドの世界観を育てると、単発の買い物ではなくコミュニティにつながる。
最後に注意点だが、文化的・宗教的な側面に配慮することを強く勧める。藁人形というモチーフは一部でセンシティブに受け取られるおそれがあるから、説明文や広告での扱いは慎重に。加えて、実店舗イベントやポップアップ、コラボレーション(イラストレーターや手芸作家との共作)を通じて実物を体験させると、想像以上に広がる。自分がこの手のプロジェクトを任されたら、ここまでを軸にローンチ計画を組むと思う。