思い返すと、コレクションの沼に深くはまったきっかけの一つが『
天誅』シリーズだった。昔からオークションやフリーマーケット、同人即売会の端っこまで目を光らせてきた身として、価値がつきやすいアイテムには一定の傾向があると感じている。まず最も高値がつきやすいのは、やはり未開封の初回限定版や初回プレスのパッケージ版だ。国内版の初回特典が揃っているもの、説明書や帯、特典ディスクまで完品の状態だと相場がぐっと跳ね上がる。次に人気キャラクターの公式フィギュアや限定生産のスタチュー。特に公式ショップやイベント限定で少数流通した立体物は中古市場で希少性が高く、造形や塗装の状態によって大きく差が出る。さらに、ゲーム本体以外だと当時の販促ポスター、店頭用のポップ、プレスキットやプロモーション用の非売品グッズもかなり注目される。
続いて注目したいのが紙物と音楽関連のレアもの。オフィシャルの設定資料集や初版の攻略本、ゲーム雑誌の特集号の切り抜きや付録冊子などは、保存状態が良ければコアなファンから高い評価を受ける。限定プレスのサウンドトラックCD、特に初回盤の帯付き・歌詞カード完備はコレクターズアイテムとして強い。加えて、開発初期のコンセプトアートや設定ラフ、デバッグ用の試作ディスク(プロトタイプ)は流通数が極端に少ないため価値が跳ねることがある。これらは単に希少なだけでなく、作品の制作過程を物語る一次資料としての魅力があるからだ。サイン入りアイテムも非常に人気で、開発者や声優の直筆サインが入ったポスターや限定冊子はオークションで高騰しやすい。
最後に、コレクターとしての実用的な観点を少し。価値は単に「希少=高額」ではなく、保存状態、付属品の有無、真贋の確かさ、そして購買層の需要によって決まる。紙物は湿気や日光で劣化しやすいので、状態チェックは厳しめにするのが鉄則だし、レアフィギュアは塗装、破損、台座の有無で評価が大きく変わる。海賊・復刻品の見分け方やシリアル番号の確認、箱の刻印やバーコードの差異など、細かいポイントを押さえることも重要だ。個人的には、熱量の高いコミュニティ掲示板や専門のSNSグループをウォッチすることで、市場の動向や本当に価値のある“掘り出し物”を見つけやすくなったと感じている。結局のところ、『天誅』コレクションで特に価値があるのは、希少性と状態、そして作品への愛情が合わさったアイテム――それらを見つけて大切に保管する楽しみこそがコレクター冥利だ。