コーポレートファイナンスの世界に足を踏み入れるなら、まずは『FINANCE FOR NORMAL PEOPLE』がおすすめだ。経済学のノーベル賞受賞者であるリチャード・セイラーが、行動経済学の視点から企業財務を解説している。数式よりも人間の心理に焦点を当てたアプローチは、初心者にも取っつきやすい。ビジネススクールの教科書的な硬さがない代わりに、実際の企業事例が豊富で、なぜ経営陣がある決断を下すのかが腑に落ちる構成になっている。
投資銀行出身の著者が書いた『THE HANDBOOK OF CORPORATE FINANCE』も悪くない。実務家の視点が随所に光り、特に資金調達の章は実際の契約書のサンプルまで掲載されている。ややアメリカ寄りの内容ではあるが、グローバルスタンダードな考え方を学ぶには最適。専門用語は最初はとっつきにくいかもしれないが、巻末の用語集が親切で、読み進めるうちに自然と財務の言葉に慣れていく仕組みになっている。