フェアファックス家の陰謀に巻き込まれたダルタニャンの活躍を描いた『二十年後』は、『三銃士』の続編として非常に興味深い作品です。
アレクサンドル・デュマの筆致は相変わらず鮮やかで、政治的な駆け引きと剣技が交錯する展開に引き込まれます。特にダルタニャンが成熟した男として、友情と野望の狭間で葛藤する姿は、青年期の彼とはまた違った魅力があります。
この作品の面白さは、単なる冒険物語ではなく、フランスとイングランドの複雑な歴史的背景を巧みに織り込んでいる点。マザラン
枢機卿やクロムウェルといった実在人物との絡みも見事で、史実とフィクションの境界が曖昧になる楽しさがあります。
ラストに向かって加速するプロットは、まるでチェスの駒を動かすように計算されていて、読後には深い余韻が残ります。