アレクサンドル・デュマの『三銃士』は、若きガスコーニュ出身の青年ダルタニャンがパリへ向かい、国王
ルイ13世の銃士隊に入隊しようとする冒険譚だ。
ダルタニャンは旅の途中で、銃士隊の名高い三人――アトス、ポルトス、アラミスと出会い、意気投合する。当初は些細な諍いから決闘寸前までいったが、
枢機卿リシュリューの衛兵隊が現れたことで共通の敵ができ、一気に絆が深まる。この「全員のために、一人のために」の精神が物語の基調となる。
物語の核心は、ダルタニャンらが王妃アンヌ・ドートリッシュを救うために、枢機卿の陰謀と対峙する過程だ。王妃がイングランドのバッキンガム公にダイヤモンドの飾り釦を贈ったことが発覚し、これをリシュリューが国王に暴露しようとする。ダルタニャンと三銃士は、王妃の名誉を守るため、命がけでロンドンへ向かう。
特に印象的なのは、敵対していたミレディーという女性スパイとの知恵比べだ。彼女の狡猾さとダルタニャンたちの機転が火花を散らす展開は、現代でも通用するスリルがある。ラスト近くでミレディーの正体が明かされるシーンは、初めて読んだ時の衝撃を今でも覚えている。