明確に分かれているのは性格の立ち位置だと感じる。自分は登場人物たちの行動原理を読み解くのが好きで、ノラは衝動と情熱、ミユは理性と共感、カエデは計算と冷徹、トキオは保守と経験を象徴していると受け取っている。
ノラの短所が物語の火種になりやすく、そこにミユのブレーキが
掛かることでドラマが生まれる。カエデはノラにとって最大の挑戦者で、価値観の対立を通じて両者ともに変化を迫られる場面が印象深い。トキオに関しては、若い世代への諭しが物語の説得力を高める役目を果たしている。
細かく言えば各々のユーモア感覚や弱点、信念の強さが違うため、会話のトーンや衝突の仕方が毎回新鮮に感じられる。こうした差異があるからこそ、物語全体が単調にならずに最後まで引き込まれるのだと思う。