スケッチを起こすたびに、どこかで見た輪郭や表情が混ざり合っているのを感じる。それが
ミシャの顔立ちや佇まいに影響を与えた原点の一つは、間違いなく『ベルセルク』の荒々しい人体表現と陰影の付け方だと思う。私はディテールを強調することでキャラクターに重さを出す癖があり、それは剣や鎧の微かな傷や、瞳の光り方といった部分に反映されている。暗いテーマと生々しい感触を怖がらず取り入れることで、ミシャの内面にある葛藤を外見から伝えられると考えた。
加えて、『アキラ』の大胆なラインと未来都市の無機質な美学も参照している。私は背景とキャラの関係性を重視するタイプで、都市の雑然さや機械の質感を服装やアクセサリーに落とし込んだ。最後に、『新世紀エヴァンゲリオン』が持つ「不安定さ」と「儚さ」の
表現技法も役立っている。静と動のコントラストを使ってミシャの一瞬の表情を際立たせ、観る側に物語の余地を残すよう心掛けた。
こうして複数の作品から引き出した要素を、自分なりのバランスで混ぜ合わせることでミシャは生まれた。過度に模倣しないように気をつけつつ、それぞれの作品が持っていた「強さ」「繊細さ」「不安」の感覚をデザインに落とし込んでいる。