赤と黒、そして仮面——視覚的に強い要素があると製品化の勝率は上がる。僕は'Persona 5'のグッズ展開を見ていると、
妖しい世界観を「ファッション」として消化する巧妙さに感心する。仮面モチーフはそのままコラボアクセサリーになり、赤黒の配色は服や小物に落とし込まれて街着としての違和感を消している。
具体的には、マスクをかたどった小ぶりのピンバッジや、カード型のアクリルプレート、劇中UIを模したパッケージングなど、世界観の象徴を日常に馴染ませる変換が多い。僕が面白いと感じるのは、原作の「反逆」「秘密」を表現するために、あえてデザインに隠し要素を入れる手法だ。たとえば裏面にさりげない文字列を刻んだり、限定ボックスにシリアルナンバーを入れたりして、持つこと自体を「
秘密基地の鍵」に見立てている。
若い層を狙うときはコストを抑えた大量生産アイテムが中心になるが、ストリートブランドやジュエリーブランドとのコラボで価格帯を上げ、妖しさをラグジュアリーに転換する動きも目立つ。僕にとって鍵になるのは、どれだけ原作の空気を日常に落とし込めるかという点だ。