吸血鬼を題材にしたアニメは数多く存在しますが、歴史上の人物ヴラド・ツェペシュを直接主人公に据えた作品は珍しいですね。
『Hellsing』のアールカードはヴラドをモチーフにしていると推測されますが、史実との関連性は薄いです。一方、『ドラキュラ』を題材にしたアニメ作品では、『吸血鬼ドラキュラ』(1980年)や『Castlevania』シリーズが有名で、こちらはヴラドの伝説を下敷きにしています。
史実のヴラド3世を描いた作品を探すなら、ルーマニアのアニメーション『Vlad the Impaler』(2019年)が唯一の例かもしれません。ただし日本製ではないので、日本語版があるかは確認が必要です。
『Fate』シリーズのサーヴァントたちはまさに神格をモチーフにしたキャラクターの宝庫だ。ギルガメッシュやイシュタルといったメソポタミア神話の神々をはじめ、世界各地の神話・伝説の英雄が現代的な解釈で描かれる。特に面白いのは、神々の性質を人間的な性格に落とし込む手法で、例えば『Fate/Grand Order』のケツァル・コアトルは太陽神の威厳と教師としての柔和さを併せ持つ。
北欧神話を題材にした『God of War』(2018)のミミルも印象的だ。首だけの存在でありながら、物語の鍵を握る知恵者として活躍する。神々の力を借りる『Hades』のゼウスやアテナの祝福システムも、神格とプレイヤーの関係性をうまくゲームメカニクスに反映している。こうしたキャラクター設計の背景には、古代の神々を現代の物語にどう溶け込ませるかというクリエイターたちの試行錯誤が見える。