井沢元彦の作品を読むと、歴史の裏側にある『なぜ』に焦点を当てる独特のスタイルがすぐにわかる。他の歴史
作家が史実を淡々と並べる傾向があるのに対し、井沢は人間の心理や当時の社会構造から事件を解説する。例えば『逆説の日本史』シリーズでは、通説に疑問を投げかけ、読者に考え直させる力がある。
特に面白いのは、彼が史料の隙間を埋めるために
推理小説的な手法を使う点だ。歴史の授業で習った出来事が、全く違う角度から光を浴びる瞬間が何度もある。このアプローチは、歴史を単なる過去の記録ではなく、現代にも通じる人間ドラマとして見せてくれる。